2016グローリアス・グッドウッド2日目

グッドウッド競馬場の夏競馬、パナマハットが似合うコースで行われるグローリアス開催の二日目はG戦3鞍。何と言ってもトップクラスのマイラーが激突するサセックス・ステークスが見所ですが、ここはレース順に見て行きましょう。

先ずはセントレジャーのトライアルであるようなないような、遅れて来た3歳馬が活躍するゴードン・ステークス Gordon S (GⅢ、3歳、1マイル4ハロン)です。good to firm の馬場に9頭が参戦し、遅れて来た3歳馬と言えばこの厩舎、そう、サー・マイケル・スタウト師が送るデットーリ騎乗のプラティテュード Platitude が4対1の1番人気。1勝馬ながら前走バーレーン・トロフィー(GⅢ)で2着した馬です。
そのプラティテュードが先ず逃げましたが、レース半ばを過ぎてからはペース遅しと見て8番人気(11対1)のザ・メジャー・ジェネラル The Major General が替って先頭。しかし後方に待機した2番人気(9対2)でこれもスタウト厩舎のユリシーズ Ulysses が外に出して追い込み、粘るザ・メジャー・ジェネラルをやや楽に半馬身抑えて優勝。更に1馬身半差で、インコースを先行していた4番人気(13対2)のショーグン Shogun が3着に入りました。2・3着はオブライエン厩舎の2頭。人気のプラティテュードは8着に沈んでいます。

アンドレア・アトゼニが騎乗したユリシーズは、前走ダービーで16頭立て12着からの巻き返し。その前にニューバリーの10ハロン戦で初勝利を挙げたばかりでしたが、スタウト師が敢えてダービーにチャレンジしたほどに評価が高かった1頭です。セントレジャーへ、と行きたいところですが、スタウト師は10ハロンから12ハロン向きのタイプと見做していて、ドンカスターに向かうことは考えていないようです。これまたガリレオ Galileo 産駒。

そして注目のサセックス・ステークス Sussex S (GⅠ、3歳上、1マイル)。今年は10頭と頭数が揃い、しかも4頭の3歳馬は英愛仏3か国の2000ギニー馬と英2000ギニー3着馬という陣容。明らかに古馬を圧倒するメンバーが揃いました。その中から仏2000ギニーに勝ったザ・グルカ The Gurkha が11対8の1番人気に推され、2000ギニーとセント・ジェームス・パレスを制したガリレオ・ゴールド Galileo Gold が9対4で2番人気。愛2000ギニーでガリレオ・ゴールドに土を付けたアウタード Awtaad も13対2の3番人気で続きます。
積極的に飛ばしたのはデットーリ騎乗のガリレオ・ゴールド。セント・ジェームス・パレスでは後ろから行き過ぎて2着と届かなかったザ・グルカ、今回は鞍上ライアン・ムーアも意識して先行策を採り、残り5ハロンでは内から先行する構え。渋太く粘るガリレオ・ゴールド、ジワリと差を詰めるザ・グルカ、同じく先行から伸びる4番人気(8対1)で2000ギニー3着馬リブチェスター Ribchester の三つ巴となりましたが、最後はザ・グルカがガリレオ・ゴールドを首差抑えての雪辱。短頭差でリブチェスターが3着となり、3歳馬が1着から3着までを独占しています。アウタードも3番手を追走していましたが、高速馬場が適していなかったか8着に終わりました。

勝馬を管理するエイダン・オブライエン師にとって、これがサセックス・ステークス5勝目。2000年のジャイアンツ・コーズウェイ Giant’s Causeway 、2002年ロック・オブ・ジブラルタール Rock of Gibraltar 、2008年ヘンリーザナヴィゲイター Henrythenavigator 、そして2009年のリップ・ヴァン・ウィンクル Rip van Winkle と錚々たるマイラーばかりが顔を連ねています。騎乗したムーア騎手は意外にもサセックス初勝利。
ザ・グルカは前走エクリプス・ステークスでも重馬場ながら2着しており、10ハロンも克服するマイラーと評して良さそう。フランスのマロワとムーラン、ヨークのジャドモント・インターナショナルやアスコットのQEⅡとチャンピオン、何処に向かうかは現時点では未定です。ガリレオ・ゴールドとの3度目、4度目の対決が見られる可能性も高いでしょう。

2日目最後のG戦はモールコム・ステークス Molecomb S (GⅢ、2歳、5ハロン)。3頭が取り消して9頭立てとなり、前走ロイヤル・アスコットのノーフォーク・ステークス(GⅡ)で勝馬とは余り差の無い5着したグローバル・アプローズ Global Applause が2対1の1番人気。
そのグローバル・アプローズも先行しましたが、結果は4番人気(8対1)ヤルタ Yalta の逃げ切り勝ち。3馬身の大差が付いて、2番手を追走した2番人気(3対1)のザ・ラスト・ライオン The Last Lion がそのまま2着に入り、グローバル・アプローズは4分の3馬身差で3着に留まりました。

勝ったヤルタ、2着のザ・ラスト・ライオンは何れもマーク・ジョンストン厩舎で、勝馬にはジェームス・ドイルが騎乗していました。ヤルタはグッドウッドとポンテフラクトとデビューから2連勝した後、コヴェントリー・ステークス(GⅡ)8着、ジュライ・ステークス(GⅡ)でも8着と期待を裏切ってきましたが、ここで復活。必ずしも5ハロン専門とするスプリンターではないようで、勝因は固い馬場にあったと言えそうです。

 

 

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