2015グローリアス・グッドウッド2日目

昨日はグローリアス・グッドウッドの2日目、最も注目されるのがGⅠのサセックス・ステークスですが、週の初めに水を差すようなニュースが飛び込み、頂上対決を楽しみにしていたファンには失望感も広がっていました・・・。

さて2日目は馬場もやや乾いて good 、G戦は3鞍ですが、レース順に回顧して行きましょう
先ずはゴードン・ステークス Gordon S (GⅢ、3歳、1マイル4ハロン)。本来はセントレジャーのトライアル的な位置付けでしたが、最近ではゴードンからレジャーへと言う馬は少ないように感じられます。今年は1頭が取り消して9頭立て。仏ダービー2着ながら前走愛ダービーでは5着と期待を裏切ったオブライエン厩舎のハイランド・リール Highland Reel が7対4の1番人気。

3頭が並んだジョイント3番人気(7対1)のスペース・エイジ Space Age がスローペースに落としての逃げ、同じく7対1のスコティッシュ Scottish が2番手を追走。逃げ馬がバテて役目を終えると、スコティッシュが抜け出し、これを同じく7対1のダイセーニョ Disegno (ディセーニョとも読めます)が追走。この流れで3番手を進んでいたハイランド・リールの進路が狭くなりましたが、巧く間隙を衝いて抜け出した本命馬、瞬発力を発揮してスコティッシュを1馬身半差し切って人気に応えました。5馬身差が開いてダイセーニョが3着。
首の負傷で休養中のムーアに替ってジョセフ・オブライエンが騎乗したハイランド・リール、前走の愛ダービー凡走がウソのような走りで、セントレジャーに一歩近づきました。オッズも10対1に上がりましたが、オブライエン父子は何れも長距離クラシックには微妙な立場。同馬はこのあとセントレジャーの他にジャドモント・インターナショナルと愛チャンピオン・ステークスにも登録があり、特にレジャーと愛チャンピオンは同日のGⅠ戦。恐らく馬場状態の予測や相手関係などを図りながら、最後まで結論を出さないものと思われます。それがオブライエン流。
一方2着のスコティッシュは、せん馬であるためセントレジャー参戦の資格はありません。今年もクラシックとは無縁なゴードンになりそうな気配充分と見ました。

続いて大注目だったはずのサセックス・ステークス Sussex S (GⅠ、3歳上、1マイル)。ここではロイヤル・アスコットで夫々のマイルGⅠを制した3歳馬グレンイーグルス Gleneagles と古馬ソロウ Solow との対決が今シーズンのハイライトと目されていました。しかし月曜日、ロンドン近郊にはかなりの雨が降ったため、馬場状態は軟化することが予想され、この時点でオブライエン師はグレンイーグルスを取り消してしまいます。結果的に馬場は good (日本なら稍重程度)まで回復しましたが、オブライエン師は“悔いは無い”とキッパリ。結局楽しみな世代対決は先送りになってしまいました。
ということで最終登録は8頭のみ。ライヴァルが抜けたここではソロウが2対5の断然1番人気に支持されていました。

先ず3番人気(6対1)のアロッド Arod が逃げ、ソロウは2番手を追走。ロッキンジ・ステークスの勝馬で2番人気(5対1)のナイト・オブ・サンダー Night of Thunder もクィーン・アン・ステークスの雪辱を期して前2頭をマークしましたが、残り1ハロンでズルズルと後退。ジックリ脚を貯めたソロウが持ち前の瞬発力を発揮して抜けると、アロッドを半馬身抑えて優勝。2馬身4分の1差3着には最低人気(50対1)のガブリアル Gabrial が突っ込んで観衆を驚かせています。ナイト・オブ・サンダーは6着惨敗。
当競馬日記ではすっかりお馴染みになったソロウは、名マイラーを何頭も手掛けてきたフレディー・ヘッド師の管理馬で、マキシム・グィヨン騎乗。これで連勝記録は「8」に伸び、今期はGⅠ4連勝と驚異の強さです。一旦先頭に立つと余計な事はしない性格とのことで、大差で勝つ様な派手なパフォーマンスはありませんが、相手なりに走るのがこの芦毛馬の魅力でしょう。ヘッド師は“これだけの馬を預かっている以上、世界の何処へでも挑戦するのが調教師の義務”と、これはオブライエン師への皮肉と取れなくもありませんね。次走は10月のクイーン・エリザベスⅡ世ステークスになる由。

ところで3着に入ったガブリアルは、2012年のサセックス・ステークスでも3着に来ていた6歳馬。3年前は同期のフランケル Frankel の3着でしたが、あの時は4頭立て。しかもフランケルには10馬身の大差を付けられていました。その結果を計算基準にすることは出来ませんが、如何にフランケルが強かったかを改めて思い出す小欄ではあります。

2日目の最後は2歳の短距離戦、モールコム・ステークス Molecomb S (GⅢ、2歳、5ハロン)。去年は初日のカードでしたが、今年はヴィンテージ・ステークスと入れ替えられました。1頭が取り消して(これもオブライエン厩舎)10頭立て。ロイヤル・アスコットのノーフォーク・ステークス(GⅡ)で3着したキング・オブ・ルークス King of Rooks がイーヴンの1番人気。

レースはジョイント3番人気(15対2)のルーロー Rouleau が逃げましたが、スタンド側を先行した2番人気(4対1)のカチー Kachy が残り1ハロンで先頭に立つと、1番枠スタートからスタンドより遠い側の後方を進まざるを得なかったキング・御出・ルークスの追い込みを4分の3馬身抑えて優勝。2馬身差でルーローが3着に粘っています。
トム・ダスコウム厩舎、リチャード・キングスコート騎乗のカチーは、チェスターのデビュー戦に勝ったばかりで、これで2戦2勝。次はヨーク夏開催のジムクラック・ステークスになるでしょう。

 

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