絶好調、ルジェ師

昨日の日曜日、ドーヴィル競馬場夏開催の二日目はG戦2鞍。前日に続き good の馬場で行われました。

2歳馬によるカブール賞 Prix de Cabourg (GⅢ、2歳、1200メートル)は牡馬4頭、牝馬3頭の7頭立て。メゾン=ラフィットの新馬戦(1200メートル)を4馬身半差で圧勝した牡馬のノース・サンダー North Thunder が7対5の1番人気。
5番人気(10対1)のハイパー・ハイパー Hyper Hyper が逃げましたが、先行していた3番人気(41対10)のアルラーマ Alrahma が残り1ハロンで先頭に立ち、後方待機から外に出して追い込む4番人気(49対10)のフィクセット Fixette に半馬身差を付けて優勝、牝馬のワン・ツー・フィニッシュとなりました。人気のノース・サンダーも先行していましたが前が開かず、思い切って内を衝いて追い上げたものの首差及ばず3着に終わっています。

勝ったアルラーマはフレディー・ヘッド厩舎、オーレリアン・ルメートル騎乗。シャンティーのデビュー戦(1100メートル)を首差で勝っており、これで無傷の2戦2勝となります。

そしてこの日最も注目されたのが、GⅠ馬が勢ぞろいしたロッシルド賞 Prix Rothchild (GⅠ、3歳上牝、1600メートル)。1頭の取り消しがあって10頭立てでしたが、3歳と古馬の激突する一戦。去年の勝馬アメージング・マリア Amazing Maria は5歳馬で7番人気(24対1)、一昨年の勝馬エソテリク Esoterique が6歳馬で5番人気(71対10)と、共に人気面では遅れを取っていました。
そんな中で人気になっていたのは3歳馬たち。前走ロイヤル・アスコットでコロネーション・ステークス(GⅠ)を制したケマー Qemah が27対10の1番人気に支持され、仏オークス3着と健闘したヴォルタ Volta 、前走ニューマーケットでフォルマス・ステークス(GⅠ)を制したアイルランドのアリス・スプリングス Alice Springs とが並んで29対10の2番人気で続きます。

先ずアメージング・マリアがダッシュ良くハナを叩きましたが、本命馬のペースメーカーを務める8番人気(26対1)のポジティヴ・ヴァイブレーション Positive Vibration がスタートで出遅れたものの、やや強引に追って1ハロン地点からは先頭。
これを中団の外で窺っていたグレゴリー・ブノア騎乗のケマー、予定通りの瞬発力を発揮して抜け出すと、後方から追い込むヴォルタの末脚を1馬身4分の1差封じて見事期待に応えました。これも後方から伸びた最低人気(121対1)のステイプ・アマーク Steip Amach が2馬身半差の3着に食い込み、エソテリクは4着、アメージング・マリアも6着に終わっています。

GⅠ戦を2連勝したアル・シャカブ所有のケマー、コロネーション・ステークスでは展開に恵まれた感もありましたが、ここは文句の無い快勝で、3歳牝馬のマイラーでは最強であることを証明した形。管理するジャン=クロード・ルジェ師は今期絶好調で、仏ダービーをアルマンザー Almanzor 、仏1000ギニーと仏オークスの二冠はラ・クレソニエール La Cressonniere で制した他、サンタラリ賞のジェマイイェル Jemayel 、ジャン・プラ賞のゼルザル Zelzal とフランスのGⅠ戦を総なめする勢いです。
そんなルジェ師ですが、ロッシルド賞は意外にも今回が初制覇。ケマーの次なる目標は、このドーヴィル開催のジャック・ル・マロワ賞か、秋のムーラン・ド・ロンシャン賞か、いずれにしても牡馬相手でGⅠ戦タイトルを積み上げたいところでしょう。

 

 

Pocket
LINEで送る

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください