ファシネイティング・ロック 対 ファウンド
5月2日の月曜日もヨーロッパ競馬は続きます。この日はアイルランド、カラー競馬場でG戦が2鞍行われました。馬場は意外に良く good 。
アサシ・ステークス Athasi S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン)。はペアになっていたテトラーク・ステークスがリステッド戦に降格したのに対し、一度はリステッドになったもののパターン・レースのステイタスを維持しています。古馬に開放したことでレヴェルを保てているためでしょうか。
7頭が出走し、4歳馬4頭対3歳馬3頭。ここは昨シーズンをマトロン・ステークス(GⅠ)3着で締め括った4歳馬のアイニッペ Ainippe が8対11の1番人気。既にバリオーガン・ステークス(6ハロン)、ブラウンスタウン・ステークス(7ハロン)とGⅢを2勝しており、ペナルティーとシーズン初戦にも拘わらず相手になる馬は見当たりません。
逃げる3番人気(6対1)のステイプ・アマーク Steip Amach の2番手に付けたアイニッペでしたが、意外や逃げ馬を捉えられず、更に5番手から追い込んできた2番人気(9対2)の3歳馬ドルチェ・ストレーガ Dolce Strega にも交わされて3着に沈んでしまいました。3歳馬が4歳馬ステイプ・アマークを首差抑えており、本命馬は1馬身4分の1差遅れ。
勝ったドルチェ・ストレーガはウイリー・マクリーリー厩舎、ウイリアム・リー騎乗で、これが3勝目。2歳時2戦目でティペラリーの5ハロンで初勝利を挙げ、そのシーズンはカラーのリステッド戦(1マイル)2着で終えていました。今期は前走ダンダルクで7ハロンの一般戦に勝ち、これで2連勝。1マイルまでを守備範囲にするタイプと思われ、愛1000ギニーにまで駒を進められるかどうか。
次のムーアスブリッジ・ステークス Mooresbridge S (GⅢ、4歳上、1マイル2ハロン)は1頭が取り消して5頭立てでしたが、去年のチャンピオン・ステークスの1・2着馬ファシネイティング・ロック Fascinating Rock とファウンド Found と、GⅢ戦ながらGⅠ馬2頭が参戦して注目されます。
チャンピオン・ステークスでは年齢差と性別の関係からファシネイティング・ロックがファウンドより8ポンドも重い重量を背負い、なおかつ1馬身4分の3差を付けての勝利。今回2頭のハンデ差は性差による3ポンドしかありませんから、明らかに有利なファシネイティング・ロックが11対10の1番人気。同馬は前年の覇者でもあります。
一方2番人気(11対8)のファウンドは、シーズン初戦の前走リステッド戦(アレッジド・ステークス)で人気になりながら不良馬場に泣いて3着に終わっていました。
最低人気(50対1)のザ・スチュワード The Steward が逃げてペースを作り、ファシネイティング・ロックは4番手を、ファウンドは更に後ろの最後方でレースを進めます。2番手に付けていた3番人気(6対1)のサクセス・デイズ Success Days が先頭に替って直線、ファシネイティング・ロックも進出して一旦は2番手に上がりましたがそこまで。
前が開かず行き場を探していたファウンドが漸く前2頭の隙間を見出すと、そこから末脚が爆発、粘るサクセス・デイズを1馬身4分の1差抜き去って2強対決を制しました。2馬身半差でファシネイティング・ロックは3着。サクセス・デイズは前走アレッジド・ステークスではファウンドに先着しての2着でしたから、ファウンドは2・3着両馬に対しても雪辱したことになります。
言うまでもなくファウンドは前日1000ギニーを制したエイダン・オブライエン厩舎、ライアン・ムーア騎乗のコンビ。オブライエン師にとっては、一昨年まで6連覇している得意なレースでもあります。
昨シーズンをチャンピオン2着のあとBCターフ制覇で締め括ったファウンド、トトソルズ・ゴールド・カップにはイーヴン(5対2から)、プリンス・オブ・ウェールズ・ステークスにも9対4(4対1から)、そして凱旋門賞には10対1(16対1から)のオッズが提示されました。海外制覇を目指す日本馬にとって強敵の1頭です。
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