ルジェ師、連日のGⅠ勝ち

先週日曜日は仏ギニーの2連発に沸いたフランスのドーヴィル競馬場、翌月曜日も2鞍のG戦が行われて賑わいが続きます。

その最初が連日のGⅠ戦となるサン=タラリ賞 Prix Saint-Alary (GⅠ、3歳牝、2000メートル)。去年は5月24日のロンシャンで行われた仏オークス・トライアルですが、今年は1週間ほど前倒しされてドーヴィルへ。
good の馬場に9頭が参戦し、3歳デビューながら前走ペネロープ賞(GⅢ)を含めて3戦無敗のキャンプロック Camprock が7対5の1番人気。英国からは英2000ギニー馬ガリレオ・ゴールド Galileo Gold と同じパーマー厩舎/デットーリ騎乗のコンビでホークスムーア Hawksmoor が参戦、フィリーズ・マイル(GⅠ)3着の実績が買われて17対5の2番人気でした。

そのホークスムーアが逃げましたが、地元フランスの層も中々に厚く、中団の内に控えていた5番人気(115対10)のジェマイイェル Jemayel と、同じく中団から抜けたキャンプロックら叩き合いとなり、最後はジェマイイェルが本命キャンプロックを頭差抑えて優勝。ホークスムーアは1馬身半差の3着でした。
勝ったジェマイイェルは、前日仏1000ギニーをラ・クレソニエール La Cressonniere で制したジャン=クロード・ルジェ師の管理馬で、グレゴリー・ブノア騎乗、オーナーは同じルジェ厩舎で仏1000ギニー3着だったケマー Quemah と同じアル・シャカブ。

去年8月にドーヴィルでデビューして3着、翌9月にロンシャンの1600メートルで初勝利を挙げ、10月のドーヴィルでレゼルヴォアール賞(GⅢ、1600メートル)に挑戦して3着でシーズンを終えていました。今期はシャンティーのリステッド戦(フィンランド賞、1800メートル)からスタートしたものの1番人気ながら7着敗退で期待を裏切りましたが、このGⅠ勝ちで仏オークスの有力候補に再浮上しています。
ルジェ厩舎には仏オークス宣言をしているラ・クレソニエールもおり、師としては強力2枚看板で臨むことになりそう。父は仏ギニー・仏ダービーの二冠を制したロぺ・デ・ヴェーガ Lope de Vega で、先日もベラード Belardo でロッキンジ・ステークスを制したばかり。半兄のマスト・トラック Mast Track はアメリカで10ハロンの芝GⅠ戦ハリウッド・ゴールド・カップに勝っていますから、父母共にスタミナ豊富な血統と言えるでしょう。

もう一鞍は典型的な短距離戦のサン=ジョルジュ賞 Prix de Saint-Georges (GⅢ、3歳上、1000メートル)。10頭が出走し、今期条件戦とリステッド戦に2連勝中のサインズ・オブ・ブレッシング Signs of Blessing が6対5の1番人気。去年のこのレースは12頭立ての11着に破れた5歳せん馬ですが、一昨年はドイツの短距離GⅢ戦(ゴールデネ・ペイチュ)を勝った実績もあり、調子の良さが優先されていたのでしょう。
ジョイント8番人気(17対1)のジェンジス Gengis が逃げましたが、勝負は中団で待機していた馬たちの争い。2番人気(49対10)のフィンスバリー・スクエア Finsbury Square が7番人気(15対1)のソン・セシオ Son Cesio を頭差抑えて優勝。1馬身半差で後方から追い込んだ4番人気(10対1)のライド・ライク・ザ・ウインド Ride Like the Wind が3着でした。人気のサインズ・オブ・ブレッシングも中団を進みましたが、残り2ハロンでの伸び脚は今一つで5着まで。どうやら2連勝は何れも重馬場でのもので、馬場が回復したここではスピード不足が露見してしまったようです。
短距離ではレヴェル上位の英国からも4頭が挑戦していましたが、5番人気(12対1)ミルザ Mirza の4着が最高で、3番人気(59対10)だったサー・マクシミリアン Sir Maximilian は6着に終わっています。

勝ったフィンスバリー・スクエアはファブリース・チャペット厩舎、クリストフ・スミオン騎乗の4歳せん馬で、G戦は初勝利。この馬も今期は順調で、本命サインズ・オブ・ブレッシングが勝ったフォンテンブローのリステッド戦では6馬身も離された2着でしたが、馬場状態が逆転の要因でしょう。そのあとメゾン=ラフィットのリステッド戦でも2着しており、去年の秋から7戦連続で連対を外していません。

なお昨日はドイツでも2000ギニー(GⅡ)が行われましたが(正式なレース名はメール・ミューレンス・レンネン Mehl-Mulhens Rennen と言います)、8対5の1番人気に支持されたマルコ・ボッティ厩舎・ライアン・ムーア騎乗の英国馬ナイフ・エッジ Knife Edge がハナ差で逃げ切り勝ちを収めています。タペタに変更されたグリーナム・ステークス(GⅢ)で3着した馬ですね。
当ブログではさすがにドイツ競馬までは扱いませんが、ルジェ師といいムーア騎手といい、連日の快挙が伝わってきたので敢えて紹介した次第。

 

 

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