エルダー、絶品の「大地の歌」
8月16日のプロムスはハレ管の出番、巨匠エルダーのマーラーが最大の聴きモノでしょう。この日は3日連続で現代のチェロ協奏曲が演奏されるのも聴き所です。
8月16日 ≪Prom 41≫
ベルリオーズ/序曲「リア王」
コリン・マシューズ Colin Matthews/Berceuse for Dresden(ロンドン初演)
~休憩~
マーラー/大地の歌
ハレ管弦楽団 Hallé
指揮/サー・マーク・エルダー Sir Mark Elder
チェロ/レオナード・エルシェンブロイヒ Leonard Elschenbroich
メゾ・ソプラノ/アリス・クート Alice Coote
テノール/グレゴリー・クンデ Gregory Kunde
最初は今年のプロムス最大のテーマ、シェークスピア没後400年記念のアニヴァーサリー・プログラムで、ベルリオーズのリア王からスタートします。
シェークスピアと言えば直ぐにベルリオーズを連想しますが、この序曲が演奏されるのは比較的珍しいことでしょう。リア王に基づく音楽では、先のドビュッシーに続く2曲目。
前半の2曲目は、プロムスではお馴染みのマシューズが作曲した一種のチェロ協奏曲。マシューズはホルストの惑星に冥王星を追加したり、ラヴェルやドビュッシーのピアノ作品のオーケストレーションで知られることが多いかも知れません。
出版社はフェイバー・ミュージックで、ドレスデンのフラウエン・キルヒェで初演された作品の曲目解説はこちら。
http://www.fabermusic.com/repertoire/berceuse-for-dresden-578
フェイバーのことですからスコアも閲覧できます。
http://scorelibrary.fabermusic.com/Berceuse-for-Dresden-29132.aspx
フラウエン・キルヒェの8台の鐘を象徴的に用いた12分ほどの作品で、今回がロンドン初演。
ソロのエルシェンブロイヒは1985年フランクフルト生まれのチェリストで、エッシェンバッハやムターによって見出されたとのこと。2011年4月には名古屋フィルとドヴォルザークのチェロ協奏曲で日本デビューしているそうです。
後半のマーラーは、プロムス・デビュー40年になるというエルダーの名演を満喫しましょう。何よりアリス・クートが素晴らしい歌唱を聴かせてくれますし、時々聴こえてくるエルダー卿の唸り声が真にリアル。ネット中継もここまで来たか、という感慨もありました。
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