アデス×イッサーリス

前日のシャーロット・ブレイに続き、15日のプロムスも現代のチェロ協奏曲が取り上げられました。作曲者アデス自身の指揮、英国の名手イッサーリスとの共演です。

8月15日 ≪Prom 40≫
ベートーヴェン/交響曲第8番
フランシスコ・コール Francisco Coll/Four Iberian Miniatures(ロンドン初演)
     ~休憩~
アデス/Lieux retrouvés(管弦楽版、世界初演)
プロコフィエフ/古典交響曲
 ブリテン・シンフォニエッタ Britten Sinfonia
 指揮/トーマス・アデス Thomas Adès
 ヴァイオリン/オーガスティン・ハデリッヒ Augustin Hadelich
 チェロ/スティーヴン・イッサーリス Steven Isserlis

このプロム、当初はプロコフィエフで始め、ベートーヴェンで終わるプログラムでしたが、プロコフィエフとベートーヴェンが入れ替わりました。挟まれた2曲は同じ順序です。
冒頭のベートーヴェンはヴィブラートもかけられない程の超快速で、特に終楽章は私が聴いた中でも最も速いテンポだったかもしれません。弦は対抗配置。

2曲目の作曲家コールは、スペインのヴァレンシア生まれ。出版社はフェイバー・ミュージックで、プロフィールは同社のホームページから↓

http://www.fabermusic.com/composers/francisco-coll

この日演奏された「4つのイベリア小品」は本来ヴァイオリン・ソロとピアノ伴奏による作品ですが、今回はヴァイオリンと管弦楽による版での演奏。拍手、ホイッスルなども加わるスペイン風の楽しい作品です。
作品の概要もフェイバーで読めますし、view score でスコアを見ることもできまから、パソコンとネット・ラジオを駆使して充分に楽しみましょう。

http://www.fabermusic.com/repertoire/four-iberian-miniatures-2

ソロを弾くハデリッヒは、イタリア生まれのヴァイオリニスト。ご覧の様にイケメン。

http://augustin-hadelich.de/

彼はアデスのヴァイオリン協奏曲も録音しており、エイヴィー盤がNMLでも聴くことが出来ます。

後半はアデスの新しいチェロ協奏曲。アデスに付いては態々紹介することも無いでしょう。これも前半で演奏されたコール作品と同じように、オリジナルはピアノ伴奏によるチェロ独奏曲。プロムスのためにオーケストレーションされたもので、今回が世界初演でした。
タイトルは「失われた土地」とでも訳すのでしょうか、4楽章制の判り易い協奏曲。第1楽章 Les Eaux(水)、第2楽章 La Montagne(山)、第3楽章 Les Champs(田園)、第4楽章 La Ville, cancan macabre(町、死のカンカン踊り)と、各楽章にタイトルが付いています。
特にハイ・ポジションが美しい第3楽章、諧謔的な第4楽章が印象的。スコアが市販されるのは少し先のようですが、既にフェイバーの view score で確認しながら聴くことも出来ます。

http://scorelibrary.fabermusic.com/Lieux-retrouv%C3%A9s-21500.aspx

最後のプロコフィエフは気軽に楽しみましょう。

 

 

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