プロムスのサン・パウロ響
リオ・デ・ジャネイロのオリンピックは先週幕を閉じましたが、ロンドンでは未だその余韻が鳴り響いているようです。
今年のプロムスは隠れテーマとして南米特集がありますが、24日に行われたサン・パウロ交響楽団の公演は最も華やかな舞台だったかも知れません。首席指揮者を務めるオルソップはプロムス・ラスト・ナイトを任されたこともある人気の女性指揮者。ロイヤル・フィルハーモニーの会員でもありますね。
8月24日 ≪Prom 51≫
マーロス・ノブリー Marlos Nobre/Kabbalah(イギリス初演)
グリーグ/ピアノ協奏曲
~休憩~
ヴィラ=ロボス/バッキアナス・ブラジレイラス第4番~前奏曲
ラフマニノフ/交響的舞曲
サン・パウロ交響楽団 São Paulo Symphony Orchestra
指揮/マリン・オルソップ Marin Alsop
ピアノ/ガブリエラ・モンテロ Gabriela Montero
オケのメンバーたちも準備が整い、オルソップが出てきただけで客席から大歓声が起きるほどのスター指揮者。冒頭に演奏されたのは、ブラジルを代表する現役の作曲家マーロス・ノブリーの作品です。ノブリーについてはホームページをご覧ください。
http://www.marlosnobre.com.br/index.php/en/
作品は「カバラー」と発音するようで、一種のブラジル舞曲。演奏は9分ほどですが南米作品らしく様々な打楽器が登場。ユーチューブでもノブリー自身が振っている映像を見ることができます。
続いて演奏されるのは意外にもグリーグの有名なピアノ協奏曲。前日に聴いたチャイコフスキーのハムレットとソックリな出だしということを昨日のレポートで紹介しました。
そう言えばチャイコのハムレットはグリーグに献呈されていますし、協奏曲の20年後に作曲されたもの。偶々似ているのではなく、敢えてチャイコフスキーがグリーグへのオマージュとして作曲したのでしょう。これ、確信犯。
ソロを弾くのはヴェネズエラの女性ピアニストで、即興演奏が得意とのこと。ルガーノ・フェスティヴァルで度々アルゲリッチと共演していることでも知られています。こんなプロフィール↓
http://www.gabrielamontero.com/
協奏曲の後にアンコールもあって、即興演奏かららしく、エルガーの威風堂々のテーマによるインプロヴィゼーションが披露されました。これには客席も大喜び。
後半はブラジルを代表するヴィラ=ロボスからスタート。ブラジル風バッハの第4番はペトルッチでスコアも閲覧できますから、弦楽合奏による最初の楽章の前奏曲をスコアを見ながら鑑賞。
終わってパラパラと拍手が出ますが、そのまま続けてラフマニノフの「ダンス」に突入します。
オケのアンコールは2曲続けてあって、最初のものはヴィラ=ロボスのピアノ曲「Valsa da Dor」(苦悩のワルツ)を Rijinvos という人が管弦楽用に編曲したものの由。2曲目の曲名は判りませんが、ボサノバ調のもので、オケの妙技に客席も大喝采。
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