フェアリー・ブリッジ3連覇

ヨーロッパの主要競馬国では最も緯度が高いアイルランドではシーズンも短く、8月は駆け込むようにG戦が続きます。昨日、8月25日にはティペラリー競馬場でフェアリー・ブリッジ・ステークス Fairy Bridge S (GⅢ、3歳上牝、7ハロン100ヤード)が行われました。
馬場は soft to heavy と早くも秋競馬の気配。そもそも5頭しか登録がなかったところに1頭が取り消したため、4頭立てになってしまいました。出走馬中只1頭の古馬(4歳馬)クレッグス・パイプス Creggs Pipes が8対15の1番人気。ハンデ戦ばかり何れも逃げ切って4連勝中の馬ですが、この4戦で公式レーティングも75から始まって108まで上げてきた典型的な上がり馬。9月第2週のマトロン・ステークス(GⅠ)を目標にしており、ここをステップとして更に飛躍したいところでしょう。

そのクレッグス・パイプスがいつものようにスタートから先手を取って逃げ切る作戦。スタートから暫くは2番人気(9対4)のタナザ Tanaza に絡まれますが、これを振り切って先頭。しかしタナザもGⅠ戦を戦ってきた3歳馬、終始本命馬をマークして最後は2頭のマッチレース。残り100ヤードで本命馬を交わしたタナザが、クレッグス・パイプスに3馬身半差を付けて競り勝ちました。更に9馬身の大差が開いて、3着には3番手を進んでいた3番人気(8対1)で1戦1勝馬リナ・デ・ヴェーガ Lina De Vega の順。
勝ったタナザはデルモット・ウェルド厩舎、パット・スマーレン騎乗で、去年のシルヴァー・フラッシュ・ステークス(GⅢ)に続いてG戦は2勝目。今期はいきなり愛1000ギニーに挑戦して7着でしたが、続いてロイヤル・アスコットのコロネーション・ステークス(GⅠ)に遠征したのは陣営の期待の表れでしょう。ここは8着と敗れ、前走キルボイ・エステート・ステークス(GⅡ)も1番人気に支持されながら12頭立ての11着と大敗していました。今回は2歳時のレヴェルを回復した走りで、7ハロンを中心に更に上を目指せる存在になるでしょう。

ところでウェルド師は去年と一昨年のこのレースをテスティッド Tested で制しており、3連覇。フェアリー・ブリッジは2003年創設の歴史が浅いG戦ですが、これまで3勝しているのはブレンダーガスト師、ボルジャー師に続いて3人目の最多勝調教師。エイダン・オブライエン師は未だ1勝しかしておらず、アイルランドではユニークなG戦とも言えそうです。

 

 

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