アラン・ポーとボードレール
今日は9日のプロムスも聴いちゃいましょう。今年生誕100年を迎えたデュティユー作品の第2回目、チェロ協奏曲です。
8月9日 ≪Prom 33≫
マーク・シンプソン Mark Simpson/イスラフェル Israfel(ロンドン初演)
デュティユー/チェロ協奏曲「はるかなる遠い国へ」
~休憩~
エルガー/交響曲第1番
BBCフィルハーモニック管弦楽団 BBC Philharmonic
指揮/ファンホ・メナ Juanjo Mena
チェロ/ヨハンネス・モーザー Johannes Moser
先に2曲目のデュティユーについて触れれば、単にアニヴァーサリー作曲家と言うだけでなく、今年のプロムスのもう一つの柱であるチェロ協奏曲シリーズの一つでもあり、二重の意味で特集コンサートでもあります。
チェリスト・ロストロポーヴィチのために書かれた超難曲で、題名の“Tout en monde lointain ”は、ボート―レールの詩集「La chevelure」からの引用。実は今年、読響定期でケラスのソロで聴いたばかり。その聴き比べも興味深いプロムスでした。
ソロを弾いたモーザーは1979年ミュンヘン生まれ。彼もまた既に読響と共演しているようで、2008年にはリサイタルを開催するために来日している由。ホームページもあります。NMLでも15点ほど聴くことが出来ました。(インキネンとの共演盤もあり!)
http://www.johannes-moser.com/#concerts
その前に演奏されたシンプソンのイスラフェルも、デュティユー同様に文学作品からヒントを得て書かれたもので、こちらはエドガー・アラン・ポーの詩から採ったものだそうな。
シンプソンはクラリネット奏者、指揮者でもあるという点でヴィドマンと共通しており、自身のホームページを紹介しておきましょう。
また今回がロンドン初演となったイスラフェルはブージー&ホークス社から出版されており、作品の解説も同社のホームページで閲覧することが出来ます。
http://www.boosey.com/cr/music/Mark-Simpson-Israfel/58476&langid=1
3回に亘るデュティユー・シリーズは、いずれも後半に交響曲の名曲を置いてバランスを取っており、前日のマーラー巨人に続き、この日はエルガーの第1番。
プロムスでエルガーの交響曲は定番中の定番で、年に1回この傑作を聴くのは楽しみでもあります。今年はネット中継で楽しんだ後、ショルティ/LPOの名録音をフーバー高音質再生で聴き比べてしまいました。
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