日曜日にG戦?
8月28日は世界中が日曜日でした、って当たり前ですけど。その日曜日に重賞競走(G戦)が行われるのは、イギリスでは当たり前じゃありません。
私が初めて英国に競馬観戦に出掛けた頃は、いわゆる英国病が真っ盛りで、日曜日はもちろん、土曜日も英国全土の競馬場は閉まってました。競馬があるのは平日のみ。1975年はダービーが水曜日、オークスは金曜日にやってましたっけ。
商店もスーパーも休みで、開いているのは教会と映画館だけというのじゃ経済競争には勝てません。それに気付いてからはイギリスでも週末に競馬があるのは当たり前になり、ほとんどのGⅠ戦は土曜日に行われるようになりました。それでも日曜日は競馬そのものはやってますが、G戦は普通行われません。
ところが昨日はグッドウッド競馬場で一鞍だけですが、G戦が組まれていました。それがシュープリーム・ステークス Supreme S (GⅢ、3歳上、7ハロン)。実は月曜日は全国的に(反発しているスコットランドは別)伝統的なバンク・ホリデーの休日なので、彼の地では3連休のど真ん中。かつて金融の中心だった国のバンク・ホリデーですから、伝統的にこの時期に開催があったグッドウッドでG戦をやっちゃえ、ということになったんでしょうね、多分。
ここまではいい加減な解説。で、昨日のグッドウッドは good 、所により good to firm と夏競馬を維持した中、2頭が取り消して7頭立て。去年のこのレースの勝馬で、前走ヨークで新たにGⅢに格上げされたシティー・オブ・ヨーク・ステークスで2着したソー・ビラヴド So Beloved が11対8の1番人気に支持されていました。
5番人気(25対1)のコード・レッド Code Red が先ず逃げ、これを1ハロン地点で先行していた3番人気(7対2)のジャロタ Jallota が交わして先頭。ジャロタが内で逃げ込みを図る所に、5ハロン地点で2番手に上がっていた4番人気(9対1)のオパール・ティアラ Opal Tiara と、5番手から外に出して鋭く迫る2番人気(5対2)のコンヴェイ Convey とが鼻面を並べるようにゴール。結局真ん中を抜けたオパール・ティアラが外のコンヴェイを首差抑え、内のジャロタは更に首差で3着でした。人気のソー・ビラヴドは後方待機から外に出して追い上げるも5着に終わり、連覇成らず。
勝ったオパール・ティアラはミック・シャノン厩舎、オイジン・マーフィー騎乗、カタール・レーシングが所有する3歳牝馬。マーフィー騎手とカタール・レーシングは、前日のセレブレーション・マイル(ライトニング・スピアー Lightning Spear)に続く連日のG戦勝利です。
10日前にヨークで7ハロンのリステッド戦に勝っての連闘で、これがG戦初勝利。シャノン師によれば、彼女は固い馬場に適した馬で、雨の季節がやってくる前に勝ってしまいたいという意向が働いた由。とても2週間後のドンカスターまでは待てないという計算もあったようです。もちろん牝馬故のセックス・アローワンスが有利と考えたこともあるでしょう。2着に惜敗したコンヴェイには、復帰したばかりのムーアが騎乗していました。流石の仕事振りです。
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