2015年ドンカスター・セントレジャー開催3日目
9月11日、ドンカスター競馬場のセントレジャー・フェスティヴァル3日目はG戦3鞍。この日の馬場は good 、所により good to firm と前日よりは多少乾いたようです。レース順に。
最初のフライング・チルダース・ステークス Flying Childers S (GⅡ、2歳、5ハロン)には9頭が参戦し、前走フランス遠征のモルニー賞(GⅠ)こそ2着だったものの、それまではロベール・パパン賞(GⅡ)を含めて3連勝したグタイファン Gutaifan が7対4の1番人気。
本命馬と同じリチャード・ハノン厩舎の5番人気(11対1)ログ・アウト・アイランド Log Out Island が逃げ、グタイファンはこれを目標。最後は3番人気(13対2)のオーネイト Ornate を交えた三つ巴となりましたが、真ん中を通ったグタイファンがオーネイトを頭差抑えて人気に応えました。首差でログ・アウト・アイランドが3着。勝時計58秒04はコースレコードだったそうですが、英国の競馬ではタイムはそれほど問題にはされません。
1・3着を管理するハノン厩舎、フランキー・デットーリ騎乗のグタイファンは、これがGⅡ戦2勝目。大差で勝つタイプではないので派手さはありませんが、5ハロンから6ハロンを得意とし、次走はミドル・パーク・ステークスになる予定。
続いて、英国では最も歴史の古い伝統の長距離戦ドンカスター・カップ Doncaster Cup (GⅡ、3歳上、2マイル2ハロン)。11頭が出走してきましたが、公式レーティングが最も高い馬がシメノン Simenon というGⅡとしてはレヴェルの低いメンバー。その中で9対2の1番人気には、前々走のグッドウッド・カップ(GⅡ)で4着だったパラセイター Pallasator が選ばれていました。
これまた本命馬と同厩のジョイント5番人気(7対1)のウイリアム・オブ・オレンジ Willian Of Orange が残り3ハロンまで逃げ、これを2番手でマークしたパラセイターが残り2ハロンで先頭に立つと、後方から追い込むジョイント5番人気のクロンドウ・ウォリアー Clondaw Warrior に4分の3馬身差を付けて優勝。更に4分の3馬身差で、これも後方から伸びた4番人気(13対2)のスエジオー Suegioo (読み方が判らないので、取り敢えずこうしておきます)が3着。2・3着馬は何れも前走がイボア・ハンデでしたから、如何にレース自体のレヴェルが低かったかが判るでしょう。
サー・マーク・プレスコット厩舎、アンドレア・アトゼニ騎乗のパラセイターは、去年のチャンピオン・デイズのロング・ディスタンス・カップ(GⅡ)で3着したのが最も目立った成績で、6歳の今期はサガロ・ステークス(GⅢ)で8着、上記グッドウッド・カップで4着の後、前走ジェフリー・フリーア・ステークス(GⅢ)も4着。今回はゲートインを嫌がって悪い癖を出しましたが、レース自体は全く問題がありませんでした。次走は去年3着だったロング・ディスタンス・カップになるでしょう。
3日目の最後はメイ・ヒル・ステークス May Hill S (GⅡ、2歳牝、1マイル)。1頭が取り消して8頭立て。7対4の1番人気に支持されたピュア・ダイアモンド Pure Diamond は未だ1勝馬ですが、前走ケンプトンの初勝利が2着に6馬身差と言う目を引くものだったことと、オーナーのゴドルフィンがこのレースに4勝しているという厩舎人気もあったでしょう。
最近2戦のG戦で入着していながら5番人気(10対1)でしかなかったマレンコ Marenko が逃げましたが、これを2番手で追走した2番人気(7対2)のターレット・ロックス Turret Rocks が最後の100ヤードでこれを捉え、そのままマレンコに4分の3馬身差を付けて優勝。1馬身半差の3着にはジョイント7番人気(14対1)のオパール・ティアラ Opal Tiara が3着に入り、人気のピュア・ダイアモンドは後方のまま最下位8着の惨敗に終わりました。
勝ったターレット・ロックスは、アイルランドからジム・ボルジャー師が送り込んだ馬で、去年のアグネス・スチュアート Agnes Stewart (エディー・ライナム厩舎)に続いてアイルランド調教馬の2連覇となりました。ケヴィン・マニング騎乗の同馬は、ゴウランで新馬勝ちしたあと、シルヴァー・フラッシュ・ステークス(GⅢ)で3着、前走デビュタント・ステークス(GⅡ)は4着。
ボルジャー師の見解では、牝系に多量のスタミナ血脈が流れているため、来年は1マイル半で活躍するタイプとのこと。1000ギニー、オークス共に25対1のオッズが出されました。
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