ドーヴィルの3歳戦

世界各地の夏競馬も折り返し点を迎えていますが、昨日のフランスはドーヴィル競馬場でもG戦が2鞍行われました。夏場の3歳戦、春のクラシックでは一息及ばなかった馬たちの成長を確認するレースでしょうか。

フランスの避暑地はどうも雨に祟られているようで、馬場は最も重い heavy 。先に行われたのは牡馬によるギョーム・ドルナーノ賞 Prix Guillaume d’Ornano (GⅡ、3歳、2000メートル)で、1頭が取り消して7頭立てで行われました。
英仏クラシック路線を歩んできた馬が揃いましたが、イーヴンの1番人気に支持されたのは、グレフュール賞(GⅡ)の勝馬で、仏ダービーが3着、前走パリ大賞典も2着と惜敗が続いたプリンス・ジブラルタール Prince Gibraltar 。英国のゴスデン厩舎が送りこむ英ダービー6着馬ウエスタン・ヒム Western Hymn が2番人気(9対5)で続きます。

しかし人気の2頭はまたも一歩及ばず、4番人気(101対10)のガイロ・チョップ Gailo Chop が逃げ切ってしまいました。3馬身半差で3番人気(73対10)のフリー・ポート・ラックス Free Port Lux が2着、首差でプリンス・ジブラルタールは3着に終わり、最後方から追い込んだウエスタン・ヒムも4着まで。
アントワーヌ・ド・ウォトリガン厩舎、ジュリアン・オージュ騎乗のガイロ・チョップは3歳になってラ・フォース賞(GⅢ)、ノアイユ賞(GⅢ)と連勝しましたが、せん馬であるためクラシックに参戦する資格は無く(もちろん凱旋門賞も)、前走はアメリカに遠征してベルモント・ダービー(GⅠ)で4着していた馬。クラシック参戦組を蹴散らし、第2のシリュス・デ・ゼーグル Cirrus des Aigles を目指します。

もう一つは牝馬のマイル戦、リューレー賞 Prix de Lieurey (GⅢ、3歳牝、1600メートル)。こちらは取り消しも無く12頭が予定通り出走し、フランスの牝馬クラシック戦線を闘ってきたバウィーナ Bawina が2対1の1番人気。牡馬のプリンス・ジブラルタールほどには信頼されていなかったようです。

しかしこちらは人気通り。ダンロップ厩舎が送りこんだアメージング・マリア Amazing Maria が逃げましたが、中団を進んだバウィーナが最後の1ハロンで抜け出すと、同じく中団のインコースを通った8番人気(222対10)のインディアン・レインボウ Indian Rainbow に1馬身4分の3差を付けて快勝。更に1馬身4分の1差で2番人気(31対10)のヴィソリーナ Visoriyna が3着に入りました。
カルロス・ラッフォン=パリアス厩舎、オリヴィエ・ペリエ騎乗のバウィーナは、名門ウェルザイマー兄弟の持ち馬。仏1000ギニーは4着、仏オークスも7着と敗退に終わりましたが、前走メゾン=ラフィットのリステッド戦は快勝し、これで4勝目。今回がG戦初勝利で、秋にはもう一つ上のランクを目指すことになるでしょう。

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