師走のガルフストリームに新たなＧ戦
今週のアメリカ競馬は、去年引退した名騎手ギャレット・ゴメス急死のニュースが駆け巡っていました。日本では全く報道されていないようですが、当ブログにもゴメスに関する検索があったようです。
未だ４４歳、カジノのあるホテルで倒れているのが発見されたそうですが、死因は調査中とのこと。薬物疑惑もあった人ですから軽々には言えませんが、当欄ではこれ以上は触れません。
さて本題のＧ戦、１２月１７日はフロリダ州のガルフストリーム・パーク競馬場で３鞍が行われました。馬場は何れも fast 、最初に行われた牝馬の短距離戦シュガー・スワール・ステークス Sugar Swirl S (ＧⅢ、３歳上牝、６ハロン)で、１頭が取り消しての５頭立て。去年の２着馬で、前走ベルモントの一般ステークス(パンプキン・パイ・ステークス)に勝って参戦したストーンタスティック Stonetastic が３対５の１番人気。
そのストーンタスティックが先手を取って逃げましたが、２番手でマークした２番人気(３対２)のデアレスト Dearest が第３コーナーの手前で本命馬に並び掛け、第４コーナーで先頭に立つと、最後方から追い込む３番人気(５対１)のユー・ボート・ハー You Bought Her に１馬身差を付けて優勝。ストーンタスティックは３馬身４分の１差で３着に終わりました。
これがＧ戦初勝利となるジルベルト・ゼルパ厩舎、エドガー・ザヤス騎乗のデアレストは、これがＧ戦初勝利となる３歳馬。今年２月にダヴォナ・デール・ステークス(ＧⅡ)で３着した後、ガルフストリームで一般ステークスに２連勝(ロイヤル・パーム・ステークス、アザレヤ・ステークス)。続く前走プライオレス・ステークス(ＧⅡ)で２着し、シーズン最後に調教師にＧ戦初勝利をプレゼントしました。通算成績は７戦５勝２着１回３着１回と、掲示板を外していません。
続いては、同じく牝馬限定のランパート・ステークス Rampart S (ＧⅢ、３歳上牝、８ハロン)。７頭が出走し、これまで５戦３勝、前走初挑戦のＧ戦(レイヴン・ラン・ステークスＧⅡ)でも４着した３歳馬のカーリンズ・アプルーヴァル Curlin’s Approval が１対２の１番人気。
レースは本命カーリンズ・アプルーヴァルの逃げに、終始２番人気(５対２)のジャンル Genre が絡む展開。最後は本命馬が振り切って先頭に立ちましたが、前２頭のハナ争いを３番手で見ていた３番人気(５対１)のエスケンフォーマネー Eskenformoney が第４コーナーで前の２頭を外から捉え、カーリンズ・アプルーヴァルに４分の３馬身差を付ける差し切り勝ち。１馬身半差でジャンルが３着でした。
１・３着は共にトッド・プレッチャー厩舎、勝馬にはハヴィエル・カステラノが、３着馬にはジョン・ヴェラスケスが騎乗していました。エスケンフォーマネーはこれまでもＧ戦で好勝負していた４歳馬ですが、ステークスも初勝利。去年はケンタッキー・オークスにも挑戦して１０着惨敗に終わっています。今期は５月にベルモントのアローワンス戦に勝って以来の勝鞍で、前走ベルモントのターンバック・ジ・アラーム・ステークス(ＧⅢ)では３着でした。
最後は、２０１１年に創設され、今年の第６回からＧⅢ戦に格上げされたハーランズ・ホリデイ・ステークス Harlan’s Holiday S (ＧⅢ、３歳上、８．５ハロン)。来年の１月２８日に行われるペガサス・ワールド・カップ(ＧⅠ)へのステップ・レースと位置付けられるだけに、ＧⅠ馬も含めて７頭が参戦。去年のトラヴァース・ステークス(ＧⅠ)の覇者で、前走ＢＣクラシックでも３着に健闘したキーン・アイス Keen Ice が８対５の１番人気。
レースは１番枠から好ダッシュで飛び出した２番人気(９対５)のスタンフォード Stanford が終始主導権を握る流れとなり、前半５番手から外を回って追走するキーン・アイスが直線で２番手に上がるも差は詰まらず、結局は本命馬に３馬身差を付ける圧巻の逃げ切り勝ちでした。２番手を進んだ３番人気(３対１)のオウサム・スルー Awesome Slew が首差で３着。
ここでもワン・ツー・フィニッシュとなったトッド・プレッチャー厩舎、こちらは勝馬にジョン・ヴェラスケスが、２着馬にはハヴィエル・カステラノが騎乗していました。スタンフォードは去年のルイジアナ・ダービー(ＧⅡ)２着の４歳馬で、今期は４月にチャールズ・タウン・クラシック(ＧⅡ)を逃げ切ってＧ戦初勝利。続くメトロポリタン・ハンデ(ＧⅠ)は不利もあって８着と大敗していましたが、それ以来の実戦でＧ戦２勝目を記録しました。一月後のペガサスＷＣに弾みを付けたと言えそうです。
以上が昨日の結果。来週は丁度クリスマスに当たるため競馬はお休み、次のＧ戦はクリスマス明けの２６日に行われます。
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