大波乱のエル・カミノ・リアル・ダービー、今年の勝馬は?

2月も第3週ともなると、アメリカ競馬も様々な週でG戦がスタートしていきます。2月18日は5つの競馬場で合計6鞍のG戦が行われましたが、結果が入電した順に取り上げていきましょう。

最初はフロリダのガルフストリーム・パーク競馬場で行われたロイヤル・デルタ・ステークス Royal Delta S (GⅡ、4歳上牝、8.5ハロン)から。この日のガルフストリームG戦はこの1戦のみ。以前はセービン・ステークスとして知られていましたが、2015年から現在の名称に替わったもの。ロイヤル・デルタはセービン時代の2013年に勝った名牝ですが、奇しくも先週、出産事故で夭逝したばかり。その弔い合戦でもありました。fast の馬場に6頭が出走し、前走1月のハリケーン・バーティー・ステークス(GⅢ)を制したカーリンズ・アプルーヴァル Curlin’s Approval が4対5の1番人気。
レースは枠順通りに順列が並ぶ展開となり、1番枠スタートの3番人気(5対2)ヴァーヴズ・テイル Verve’s Tale の逃げ。2番枠から出て2番手に付けたカーリンズ・アプルーヴァル、第3コーナーで外から逃げ馬を捉えると直線は独走、3番手を進んだ4番人気(13対1)のモー・グリーンMo’ Green に6馬身差を付ける圧勝でした。更に5馬身4分の1の大差が付いて、4番手追走の2番人気(2対1)エスケンフォーマネー Eskenformoney が3着。
マーチン・ウルフソン厩舎、ルイス・サエズ騎乗のカーリンズ・アプルーヴァルは、3歳の去年、6月にデビュー戦に勝った晩生の4歳馬で、去年の終戦となったランバート・ステークス(GⅢ)がG戦初挑戦での2着。年が明けてからはG戦2連勝となり、ここまでの勝鞍5勝は全てガルフストリームでのものとなります。前走は7ハロンでしたが、今回は距離が伸びて更にパワーアップした印象。今回の楽勝で、第2のロイヤル・デルタに成長する期待が膨らんできたと言えそうです。

次はローレル・パーク競馬場のスプリント戦2鞍。先ず古馬牝馬のバーバラ・フリッチー・ステークス Barbara Fritchie S (GⅡ、4歳上牝、7ハロン)は fast の馬場に8頭立て。去年のベッド・オー・ロージス・ハンデ(GⅢ)勝馬でBCフィリー・アンド・メア5着のバイ・ザ・ムーン By the Moon が7対5の1番人気。
大外枠発走の2番人気(3対1)ワンダー・ギャル Wonder Gal が逃げましたが、3番手を追走していたバイ・ザ・ムーンが直線で先頭に立ち勝利目前。しかし5番手に控えた3番人気(3対1)のハイ・リッジ・ロード High Ridge Road が大外を衝いて猛追し、本命に並んだところがゴール。写真判定の結果、ハイ・リッジ・ロードが首差でバイ・ザ・ムーンを捉えていました。1馬身半差で4番手から伸びた5番人気(8対1)のクロージズ・フォール・オフ Clothes Fall Off が3着。
リンダ・ライス厩舎、ホレイショ・カラマノス騎乗のハイ・リッジ・ロードは、これがG戦初勝利となる5歳馬。前走は大晦日にローレルで行われたサーティー・エイト・ゴー・ゴー・ステークス(一般ステークス)に勝っており、その時もバイ・ザ・ムーンが2着でした。前々走はゴー・フォー・ワンド・ハンデ(GⅢ)で2着し、G戦タイトルを目前にしての順当勝ち。

一方、牡馬によるジェネラル・ジョージ・ステークス General George S (GⅢ、4歳上、7ハロン)は、去年の勝馬ペイジ・マッケニー Page McKenny が取り消して9頭立て。こちらは去年のボールド・ルーラー・ハンデ(GⅢ)を制しているストールウォーキン・デュード Stallwalkin’ Dude がイーヴンの1番人気。
やんわりとしたスタートから2番人気(5対2)のインペリアル・ヒント Imperial Hint が押し出されるように先頭に立ち、ストールウォーキン・デュードは3番手から。インペリアル・ヒントは無理しなかったこともあって楽に飛ばし、直線で本命馬が懸命に追うも差は詰まらず、結局ストールウォーキン・デュードに2馬身4分の1差を付けて鮮やかに逃げ切りました。6番手から伸びた8番人気(37対1)のネヴァー・ゴーン・サウス Never Gone South が1馬身4分の3差で無欲の3着。
ルイス・カルヴァジャル厩舎、ジュリアン・ピメンテル騎乗のインペリアル・ヒントも、これがG戦初勝利となる4歳馬。去年12月パークスでのアローワンス戦(6ハロン)、今年初戦ローレルの6ハロン一般ステークス(ファイア・プラグ・ステークス)と3連勝。短距離界の新星と言ったところでしょう。

土曜日三つ目の競馬場はオークローン・パーク競馬場。バヤコア・ステークス Bayakoa S (GⅢ、4歳上牝、8.5ハロン)は fast の馬場に8頭が参戦し、去年のケンタッキー・オークス(10着)にも参戦した実力馬テラ・プロメッサ Terra Promessa が1対2の断然1番人気。
2番枠スタートを利して先頭を奪ったテラ・プロメッサ、向正面でも徐々に後続との差を広げ、直線でもリードを保ったまま、5番手から伸びた最低人気(37対1)のパワー・オブ・スナンナー Power of Snunner に4馬身4分の3差を付けて見事期待に応えました。2馬身4分の3差で3着には4番手追走の3番人気(6対1)ストリームライン Streamline の順。
スティーヴン・アスムッセン厩舎、リカルド・サンタナ騎乗のテラ・プロメッサは、去年4連勝してオークスに挑んだ逸材。その4連勝にはオークローンでの3連勝も含まれ、ハネービー・ステークス(GⅢ)、ファンタジー・ステークス(GⅢ)とG戦はこれで3勝目。オークスの後6か月休養し、カナダでの復帰戦(シーズ・オール・イン・ハンデ)こそ7着でしたが、そのあと1月オークローンの一般ステークス(ピッピン・ステークス)に勝ってステークス2連勝となりました。

最後はカリフォルニアの2場。先ずサンタ・アニタ競馬場ではブエナ・ヴィスタ・ステークス Buena Vista S (芝GⅡ、4歳上牝、8ハロン)が行われる予定でしたが、前日降った大雨のため芝コースが使えずダートに変更。ただG戦の剥奪は無かったようで、GⅢ戦に降格されて開催されました。当初登録の11頭の内6頭もが取り消したため、fast のメインコースに5頭立て。主力馬がほとんど取り消し、一昨年のサンタ・アニタ・オークス(GⅠ)3着などダートでも実績があるワイルド・アット・ハート Wild At Heart が3対2の1番人気。
4番人気(5対1)のヒルハウス・ハイ Hillhouse High が逃げ、ワイルド・アット・ハートは3番手。前3頭と後ろ2頭が大きく離れる展開となり、本命ワイルド・アット・ハートが第4コーナーで2番手から抜けた3番人気(7対2)のリリー・ポッド Lily Pod を外から捉え、そのまま3馬身半差を付けて人気に応えました。6馬身4分の1の大差で、逃げたヒルハウス・ハイが3着。条件が変わったこともあり、内容的にも従前のブエナ・ヴィスタとは程遠いGⅢ戦と見て良いでしょう。
リチャード・マンデラ厩舎、フラヴィアン・プラット騎乗のワイルド・アット・ハートは、上記のように3歳時にはサンタ・アニタ・オークスで3着でしたが、去年4歳時にはバヤコア・ハンデ(GⅡ)で2着、前走ラ・カニャーダ・ステークス(GⅡ)4着からのリバウンドで、これがG戦初勝利となる5歳馬です。

最後はゴールデン・ゲート・フィールズ競馬場で行われたエル・カミノ・リアル・ダービー El Camino Real Derby (GⅢ、3歳、9ハロン)。この日唯一の3歳馬によるG戦です。このダービーからは未だケンタッキー・ダービー馬は生まれていませんが、2着馬は2頭。しかしプリークネスは3頭、ベルモントも1頭が勝っており、早く同ダービーからケンタッキー・ダービー馬が出て欲しい所でしょう。fast の馬場に7頭が参戦し、このレースのトライアルとなるカリフォルニア・ダービー(ゴールデン・ゲートの一般ステークス)を制したアン・アーバー・エディー Ann Arbor Eddie がイーヴンの1番人気。
そのアン・アーバー・エディーがダッシュ良くハナに立ちましたが、5番人気(10対1)のトライバル・ストーム Tribal Storm が向正面で本命馬を交わして先頭。しかし直線に入るとレースの様相は一変し、6番手で直線に入った最低人気(45対1)の伏兵ザカロフ Zakaroff が大外から一気に追い上げ、内から盛り返したアン・アーバー・エディーを捉える大逆転。3番人気(9対2)のモア・パワー・トゥー・ヒム More Power to Him が3番手、トライバル・ストームが4番手で入線しましたが、本命馬が最後で外に膨れ、トライバル・ストームの進路に入ったことで審議となり、結局アン・アーバー・エディーはトライバル・ストームの後ろ、4着に膠着。モア・パワー・トゥー・ヒムとトライバル・ストームが夫々2・3着に繰り上げとなりました。
スティーヴン・スぺヒト厩舎、カイル・フレイ騎乗のザカロフは、前走カリフォルニア・ダービーでは5着と敗退しており、今回の勝利は予想できなかったもの。ここまでゴールデン・ゲートでのみ走っており、3戦目に初勝利を挙げて、今回が2勝目。今年のエル・カミノ・リアル・ダービーは上位3頭ともにクラシックの登録が無く、今年もダービーとは無縁なレースになってしまう可能性が高そうですネ。

 

 

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