ヨーロッパ出身馬が制した芝G戦2題
木曜日から毎日一鞍づつのG戦が行われてきたアメリカ競馬、10月23日の日曜日は何れも芝コースのG戦が2鞍行われました。連日のキーンランドに加え、昨日はベルモントも。
先ずはそのベルモント・パーク競馬場で行われたアセーニア・ステークス Athenia S (芝GⅢ、3歳上牝、8.5ハロン)から行きましょう。soft の馬場に1頭が取り消して10頭立て。2走前にボールトン・スパ・ステークス(芝GⅡ)を制したストライク・チャーマー Strike Charmer と、去年フランス1000ギニーで3着していたメキシカン・ゴールド Mexican Gold が3対1で1番人気を分け合っていました。
9番人気(23対1)のミーンズ・ウェル Means Well がハナを叩きましたが、5番人気(7対1)のオール・イン・ファン All in Fun が替わっての逃げでペースが落ち着きます。3番手を進んだ7番人気(14対1)のマイ・スイート・ガール My Sweet Girl が先頭を奪って直線に入りましたが、終始6番手に付けていた3番人気(4対1)のロカ・ロホ Roca Rojo が外から襲い掛かり、後方3番手から追い込む4番人気(5対1)のストーミー・ヴィクトリア Stormy Victoria に3馬身4分の1差を付けて快勝。5番手から伸びたメキシカン・ゴールドが首差で3着に入り、人気の一角ストライク・チャーマーは最後方から追い込むも4着まで。
チャド・ブラウン厩舎、ハヴィエル・カステラノ騎乗のロカ・ロホは、これがG戦初勝利となるアイルランド産の4歳馬。アイルランド時代はキラネーとゴウランでデビューから2連勝し、今年からブラウン師の元へ。6月にベルモントでアローワンス戦に勝ち、8月サラトガの一般ステークス(ド・ラ・ローズ・ステークス)が4着。9月にもベルモントのアローワンス戦に勝ってアメリカでの2勝目を挙げ、連勝で初挑戦のG戦を制しました。
一方キーンランド競馬場ではダウェイジャ・ステークス Dowager S (芝GⅢ、3歳上牝、12ハロン)。これも芝コースの牝馬戦で、去年からGⅢに格上げされた一戦。20日に行われたシカモア・ステークス(芝GⅢ)の牝馬版に相当します。firm の馬場に2頭が取り消して11頭立てとなり、前走10月1日のロデオ・ドライヴ・ステークス(芝GⅠ)では8着ながら、これがカリフォルニアを出て最初のレースとなるエレクトラム Elektrum が5対2の1番人気。
2頭が並んだ2番人気(5対1)の1頭ロビヤード Robillard が逃げ、これを4番手で追走していた同じ2番人気のアップル・べティー Apple Betty が交わして直線で抜け出し先頭。しかし8番手に控えていたエレクトラムが更に外から差を詰めると、ゴール寸前でアップル・べティーをハナ差捉えて人気に応えました。3馬身差で最後方から追い込んだ10番人気(49対1)のスウェア・バイ・イット Swear by It が3着。
このレース2勝目となるジョン・サドラー厩舎、ドライデン・ヴァン・ダイク騎乗のエレクトラムも、ヨーロッパ出身のアイルランド産馬。フランスではイタリア人調教師のジュセッペ・ボッティ師が管理し、10戦2勝。調教師の故国イタリア・オークスに遠征して5着したこともありました。去年8月にジョン・C・メイビー・ステークス(芝GⅡ)に勝って以来の勝ち星で、ロデオ・ドライヴに先立つ今年のメイビーでは3着でした。この日の芝G戦、何れもヨーロッパ出身の馬が末脚を活かして勝利しています。
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