フランスもジョン・ゴスデン

4月の最終日曜日、4月30日にはフランスのシャンティー競馬場でG戦が2鞍行われました。
ロンシャン競馬場が大規模改修中のフランス、去年と今年はどうもローテーションが不順と言うかイレギュラーなので、古くからのファンには何となく違和感が付き纏います。競馬より大統領選に関心が向いている所為でしょうかね。

昨日の馬場は good 、先に行われたアレ・フランス賞 Prix Allez France (GⅢ、4歳上牝、2000メートル)は9頭が出走し、英国から遠征したザ・ブラック・プリンセス The Black Princess が17対10の1番人気。未だG戦には勝っていませんが、去年11月にサン=クルーでリステッド戦(ソリチュード賞)に勝った印象が強かったようです。
スタートから積極的に逃げ作戦を取ったザ・ブラック・プリンセス、最後の1ハロンでは左に寄れる癖を見せたものの、中団から追い上げる2番人気(3対1)のアルマンド Armande に1馬身4分の1差を付けて逃げ切り、順当な結果で収まりました。中団の内を進んでいた5番人気(77対10)のハッピー・アプローチ Happy Approach が半馬身差で3着。

勝ったザ・ブラック・プリンセスは、今期絶好調のジョン・ゴスデン師の管理馬で、英国内だけではなく、海を渡ってもその快進撃が続いています。3歳時の去年は、ロイヤル・アスコットのリブルスデール・ステークス(GⅡ)で3着した実力馬だけに、秋のリステッド戦勝ちによるペナルティー2ポンドも全く苦にはなりませんでした。
騎乗していたのは、これまた好調をキープしているランフランコ・デットーリ。インタヴューに涼しい顔で答えた後、直ぐに翌日のパリオリ賞(イタリア2000ギニー)に向けてローマに旅立ちました。トップジョッキーならではの忙しさでしょうか。

この日のもう一鞍は、今期最初の長距離G戦バルべヴィユ賞 Prix de Barbeville (GⅢ、4歳上、3000メートル)。ここも9頭立てで、当日の朝は3番人気だったホールドハシグリーン Holdthasigreen (名前の読み方はよく判りません)が、最終的には14対5の1番人気。今期初戦にメゾン・ラフィットで3100メートルのリステッド戦(ライト・ロイヤル賞)を制したことが評価されたのでしょう。
そのホールドハシグリーンが後続を離して大逃げを打ちましたが、差が一気に詰まって混戦に。先行していた4番人気(77対10)のマルメロ Marmelo が抜け出し、中団から伸びた7番人気(14対1)のバティール Bateel に2馬身半差を付けるサプライズとなりました。後方から追い込んだ3番人気(37対10)のトラヴェリング・マン Travelling Man が1馬身差の3着に入り、ホールドハシグリーンは9着最下位と惨敗に終わっています。

マルメロもまた、英国から遠征してきた4歳馬で、こちらはハギー・モリソン厩舎、クリストフ・スミオン騎乗。このレースの1・2着は共にこれがシーズン初戦で、他の7頭は全て今年に入って使われていた馬だけに、人気の盲点だったと言えそうです。
前々走もフランスに遠征し、ショードネー賞(GⅡ)で3着だったマルメロは、これがG戦初勝利。実は2歳半兄のヴァン・ド・フォース Vent de Force もモリソン師が調教し、やはり3歳時にショードネー賞で2着していました。ヴァン・ド・フォースは翌年、サガロ・ステークス(GⅢ、今年は5月3日に行われます)で2着した後、ヘンリー2世ステークス(GⅢ)に優勝。アスコットのゴールド・カップに挑戦したものの疲労困憊が酷かったという経験があります。
従ってモリソン師としてはゴールド・カップには行かず、次もフランスに遠征して5月のヴィコンテス・ヴィジエ賞(GⅡ)に向かいたい由。そこではフランス長距離界のチャンピオン、ヴァジラバド Vazirabad の胸を借りることになるでしょう。

 

 

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