メゾン=ラフィットのG終戦

11月に入るとフランスの平場競走も愈々終盤、昨日はメゾン=ラフィット競馬場でG戦3鞍が行われ、これでこの競馬場で行われるG戦は全て終了しました。
去年はストライキがあって11月中旬に延期された3レース、今年は無事に施行されています。

very soft というシーズン末特有の馬場、最初は比較的歴史の浅いミエスク賞 Prix Miesque (GⅢ、2歳牝、1400メートル)。6頭が出走し、前走マルセル・ブーサック賞(GⅠ)4着という実績を買われてナイト・オブ・ライト Night of Light が13対10の1番人気。
そのナイト・オブ・ライトがスタートからハナに立ち、力で押し切る作戦でしたが、4番手を進んでいた2番人気(27対10)のアメーナー(?) Ameenah がこれを楽に2馬身差捉えて優勝。更に1馬身4分の1差で2番手に付けていた5番人気(114対10)のケヌースカ Kenouska が3着に入りました。

フレデリック・ロッシ厩舎、フランク・ブロンデル騎乗のアメーナーは、これで6戦4勝2着2回と真に堅実。前走クリテリウム・ド・リヨン(リステッド戦)の2着馬で、これまで地方競馬で活躍してきた馬です。

2つ目も2歳戦で、こちらは歴史の古いクリテリウム・ド・メゾン=ラフィット Criterium de Maison-Laffitte (GⅡ、2歳、1200メートル)。1頭が取り消して10頭立て。13対10の1番人気に支持されたシャマール Shamal は、メゾン=ラフィットで新馬勝ちし、続くドーヴィルの条件戦にも勝って2戦2勝。ここが試金石の一戦です。
しかしシャマールは逃げ馬を射程に入れ好位置に付けていましたが、他馬と接触してズルッと後退する不利、そのまま諦めた形で9着と期待外れに終わりました。優勝は逃げ切った4番人気(77対10)のマトム(?) Mattmu 、後方から追い込んだ7番人気(118対10)の牝馬クィーン・ビー Queen Bee に1馬身差を付けていました。1馬身4分の3差3着は2番手を追走した6番人気(106対10)のゴーケン Goken と波乱。

勝ったマトムは、英国のティム・イースタービー師が遠征した馬で、デヴィッド・アラン騎乗。イースタービー師にとってはメゾン=ラフィット競馬場そのものが初体験でした。これで9戦4勝2着4回3着1回と一度も馬券から外れたことの無いタフな馬ですが、G戦は初挑戦で、2歳にして既に9戦も走っているのがこの馬の限界でしょうか。前走ヨークのリステッド戦(ロッキンガム・ステークス)に続く連勝、いずれにしても短距離路線を歩む1頭でしょう。

最後はセーヌ・エ・オワーズ賞 Prix Seine-et-Oise (GⅢ、3歳上、1200メートル)。13頭が揃い、去年のアベイ・ド・ロンシャン賞(GⅠ)勝馬で、前走ブリティッシュ・チャンピオン・スプリント(GⅡ)4着のマーレク Maarek が5対2の1番人気。
レースは英国から遠征したジャスティス・デイ Justice Day と、ドイツから遠征した去年の勝馬コロネル Kolonel の逃げ争い。これを3番手で見ていた7番人気(137対10)のガマース Gammarth が捉えると、やはり先行していた8番人気(155対10)のカレドニア・レディー Caledonia Lady に4分の3馬身差を付けて優勝。漸く短頭差で3番人気(63対10)のキャットコール Catcall が3着に入り、これまた大荒れ。シーズン末と極端に重くなった馬場が成せる結果でしょうか。人気のマーレクは途中で後方に下がり、11着大敗。

アレックス・パンタル厩舎、ミケール・バルザロナ騎乗のガマースは、これまでG戦ではニア・ミス続きだった馬で、6歳にしてG戦初勝利。前走フォレ賞(GⅠ)は8着、勝鞍は去年8月のメゾン=ラフィットのリステッド戦以来のことです。これが5勝目ですが、3勝はメゾン=ラフィットでのもの、また3勝は不良馬場でのものと、今回は勝つべく要素が揃っていたと言えそうです。

 

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