圧巻の短距離戦
5月の第3日曜日と言えば優駿牝馬(オークス)ですが、ドイツでは2000ギニー、イタリアでもダービーが行われてクラシックな週末でした。
しかし、このレポートはアイルランド。ナース競馬場でラッケン・ステークス Lacken S (GⅢ、3歳、6ハロン)という歴史の浅いG戦が行われています。来るロイヤル・アスコットのコモンウェルス・ステークス(GⅠ)に向けたアイルランド代表決定戦とでも呼びましょうか。
去年は5月末に行われていましたが、今年は若干早目。 good to yielding の馬場に2頭が取り消して7頭立てとなりましたが、抜けた1番人気(8対15)に支持されたのが、エイダン・オブライエン厩舎、ライアン・ムーア騎乗のカラヴァッジョ Caravaggio 。
そう、一時は2000ギニーの筆頭候補と噂された無敗馬ですが、陣営は短距離路線を選択し、シーズン初戦をここに絞ってきました。
4番人気(14対1)のゴラーン Gorane が逃げ、カラヴァッジョは後方に待機。内から外に持ち出し、ムーアがゴーサインを出すと、カラヴァッジョは只1頭別のレースをしているよう。他の馬が止まっているようにも見えた圧巻の末脚で突き抜けると、3番手を進んだ3番人気(10対1)のサイケデリック・ファンク Psychedelic Funk に4馬身4分3の大差を付ける圧勝でした。
最後方から追い込んだ6番人気(25対1)のミスター・スカーレット Mr Scarlet が1馬身4分の3差で3着。それにしても6ハロンのレースで4馬身差というのは、カラヴァッジョの能力が桁違いだという証明でしょう。
これでデビューから5戦5勝。去年はロイヤル・アスコットでコヴェントリー・ステークス(GⅡ)を制し、8月にフェニックス・ステークスでGⅠ馬になった後は休養。今回は9か月の休養明けもなんのその、2歳時のスピードが健在であることを見せ付けた形です。
オブライエン陣営では本格的に7ハロンも試走したそうですが、燃料メーターはビクともしなかったとか。もちろん1マイルも同馬の範囲内と思われますが、持ち駒豊富な厩舎ではスプリントでチャンピオンを目指す、という方針を選びました。
コモンウェルス・カップのオッズは、レース前の5対2からイーヴンにまで上昇。同じ3歳のスプリンターを擁する厩舎にとっては脅威の存在でしょう。
ところでドイツやイタリアは守備範囲外ですが、昨日のイタリア・ダービーの中継を見ていて、間の抜けたような口調のアナウンサーが“ジャッポネーゼ”と叫んだので何事かと思ったら、
ダービーをクリスチャン・デムーロ騎乗、これも圧巻の5馬身差で圧勝したマク・マホン Mac Mahon (中継ではメクマオンと聞こえましたが)のオーナーが日本人なんですね。成績書では「Takaya Shimikawa」となっていますが、どんな方なんでしょうか。イタリア競馬通の方、教えてください。
初めまして。
海外競馬に興味がありまして、いつも楽しみに読ませていただいております。
イタリアダービーの勝ち馬のオーナーなんですが、島川隆哉氏ではないでしょうか?
ご存知かとはおもわれますが、「トーセン」でお馴染みみたいな方です。
アットリーニ様
早速の返信、ありがとうございます。大変参考になりました。
映像で見る限りは相当に強い内容で、ダービーで5馬身というのは海外(フランスや日本)でもそこそこ勝負になりそう。日本人オーナー、弟デムーロということで、今後にも大いに注目したいと思います。