オブライエンのG戦一日4勝、ムーアは3勝
遅れていた競馬日記、第2弾は6月26日にカラー競馬場で行われたG戦4鞍。間が空いてしまいましたが、前日の愛ダービーと連日でGⅠ戦が組まれているアイルランドでは最も競馬が賑う週末でした。
good の馬場で行われた4鞍、レース順に取り上げると、
先ずインターナショナル・ステークス Inrernational S (GⅢ、3歳上、1マイル2ハロン)は5頭立て。ここ3年でオブライエン厩舎の3歳馬が2勝しているレースですが、今年は4歳馬で臨むオブライエン厩舎のサー・アイザック・ニュートン Sir Isaac Newton が11対8の1番人気。G戦は未勝利ですが、やはりオブライエン・ブランドの信用力でしょう。
2番人気(6対4)で前走では本命馬に先着しているケミカル・チャージ Chemical Charge が逃げて逆転を狙いましたが、3番手を追走したサー・アイザック・ニュートン、思い切ってインコースを衝いて逃げ馬に迫り、最後はこれを4分の3馬身捉える快勝で人気に応えました。4番手から伸びた4番人気(8対1)のイン・マイ・ポケット In My Pocket が4馬身差離されての3着。
もちろんライアン・ムーアとのコンビで臨んだサー・アイザック・ニュートンは、調教では走るがレースでは今一というタイプ。前走ロイヤル・アスコットでリステッド戦のウルファートン・ハンデに続く2連勝。この距離が合っているアメリカ競馬向きの馬で、充実の4歳はアメリカでGⅠ獲りというローテーションでしょうか。オークス2着馬シークレット・ジェスチャー Secret Gesture の全弟という血統。
続いては2歳牝馬によるグランジソン・スタッド・ステークス Grangecon Stud S (GⅢ、2歳牝、6ハロン)。2頭が取り消して7頭立て。ここも未だ1勝馬ながらオブライエン厩舎、ムーア騎乗のロリー・ポリー Roly Poly が3対1の1番人気。
5番人気(8対1)のエレリー・レーン Ellery Lane が逃げ、2番手に付けた2番人気(7対2)で英国から参戦してきたシーフロント Seafront が一旦は先頭に立ちましたが、それも束の間。3番手を進んだロリー・ポリーが直ぐに並び掛けると、結局は首差競り落としての優勝です。4分の3馬身差の3着には、中団から伸びた6番人気(12対1)のエルーシヴ・ビューティー Elusive Beauty が入りました。
勝ったロリー・ポリーはナースの5ハロン戦でデビュー勝ち。続くカラーの5ハロンのリステッド戦で4着し、ロイヤル・アスコットでクイーン・メアリー・ステークス(GⅡ)は17頭立ての8着。距離が1ハロン伸びたこともあって実力が表れて来たとも言えそうです。
この日三つ目のG戦は、3歳と古馬が対戦する牝馬のGⅠ戦プリティー・ポリー・ステークス Pretty Polly S (GⅠ、3歳上牝、1マイル2ハロン)。3歳馬は古馬より11ポントほど軽い負担重量で出走できますが、5頭立てで唯一頭参戦した3歳馬マインディング Minding は二冠牝馬。あるいは年齢ハンデが無くとも本命に上がるのは間違いない所で、ここは1対5の圧倒的な1番人気。
最低人気(25対1)のボッカ・バチアータ Bocca Baciata が逃げましたが、3番手でジックリ様子を窺っていたマインディングの瞬発力は桁違い。ライアン・ムーアがゴーサインを出しただけで前を交わすと、逃げたボッカ・バチアータに4馬身半差を付ける圧巻のパフォーマンスでクラシック・ホースの実力を見せ付けました。更に5馬身という決定的な差が付いて、最後方から伸びた4番人気(14対1)のルシーダ Lucida が3着。
これでマインディングはGⅠ戦5勝目。一応は愛オークスにも登録がありますが、オブライエン師はイーヴン・ソング Even Song でクラシックを目指し、二冠馬にはナッソー・ステークスを考慮中とのこと。来年も現役を続ける予定で、牡馬相手のGⅠ戦はその時のためにとっておくのかも。
土曜日最後のG戦はカラー・カップ Curragh Cup (GⅡ、3歳上、1マイル6ハロン)。去年まではGⅢ戦でしたが、今年からGⅡに格上げされています。ここも4頭立てと頭数は少なく、オブライエン厩舎は2頭出し。もちろんライアン・ムーアが乗ったランドオブホープアンドグローリー Landofhopeandglory が15対8の1番人気。今期は勝鞍がありませんが、陣営の期待はこちらの方が高いのでしょう。選択のアドヴァイスはエイダン・オブライエン師自身の見解。
スタートから先頭に立ったのは、オブライエン厩舎のもう1頭でシーミー・ヘファーナンを背にした3番人気(11対4)のソード・ファイター Sword Fighter 。ランドオブホープアンドグローリーは3番手から差す作戦でしたが、最後までソード・ファイターの逃げ脚は衰えず、結局は本命馬に2馬身差を付けて逃げ切ってしまいました。1馬身4分の3差で後方から伸びた2番人気(9対4)のアルヴィーナ Alveena が3着。
勝ったソード・ファイターは、前走ロイヤル・アスコットでクイーンズ・ヴァース(リステッド戦)を33対1の大穴で制した3歳馬。オブライエン師はこのレース4連覇で、この日のG戦4鞍も総なめとなります。
ムーアはハット・トリックに止まりましたが、カラー・カップでこの馬に乗せなかったのは判断ミスだった、とオブライエン師も正直に認めています。夏の間は休養に充てて9月10日のセントレジャーを目指す、というのがソード・ファイターのローテーションになってくるでしょう。
最近のコメント