短距離の王者

アイルランドに続いてフランスのドーヴィル競馬場、こちらは good の馬場でG戦2鞍ですが、先ずルー賞 Prix de Reux (GⅢ、3歳上、2500メートル)から。G戦にしてはややレヴェルの低い8頭が参戦し、唯1頭の3歳馬でサン=クルー、コンピエーニュと条件戦を2連勝しているヴェンジュール・マスク Vengeur Masque が19対10の1番人気。
ブービー人気(177対10)のレッド・ガリレオ Red Galileo が逃げましたが、2番手の外に付けた4番人気(23対5)のロアショー Loresho が2ハロン地点から先頭を奪うと、そのまま最後方から追い込む5番人気(93対10)のシーポート Seaport に4分の3差を付けて事実上の逃げ切り勝ち。更に半馬身差で2番手を追走した2番人気(39対10)のビラボン Billabong が3着に入り、人気のヴェンジュール・マスクは4番手追走のまま4着に終わっています。

ジャン=クロード・ルジェ厩舎、クリストフ・スミオン騎乗のロアショーは、前走同じドーヴィルの2500メートル条件戦で2着、その前にはロンシャンで2400メートルの条件戦に勝ち、これがG戦初挑戦の4歳馬です。

続いてはモーリス・ド・ギースト賞 Prix Maurice de Gheest (GⅠ、3歳上、1300メートル)。短距離戦の常連12頭が出走し、歴戦の古馬を抑えてイーヴンの1番人気に推されたのは、コモンウェルス・カップ、ジュライ・カップとGⅠ戦2連勝中のムハーラー Muhaarah
8番人気(29対1)ヌーゾー・カナリアス Noozhoh Canarias の逃げを中団で待機したムハーラー、短距離の追い込み脚質を活かすと、後方から追い上げる2番人気(48対10)エソテリク Esoterique を半馬身抑えて見事人気に応えました。更に半馬身差で3番手を追走した6番人気(139対10)の古豪ゴードン・ロード・バイロン Gordon Lord Byron が3着。

すっかり競馬日記の顔になったムハーラー、英国のチャールズ・ヒル厩舎、ポール・ハナガン騎乗でスプリントのGⅠハットトリック達成です。英国のスプリンターによるGⅠ3連勝は、同じハムダン・アル・マクトゥーム所有のデイジャー Dayjur が達成して以来25年振りの快挙。近年では最も評価の高いスプリンターでしょう。
恐らく次走は9月5日のベットフレッド・スプリント・カップになるでしょうが、各ブックメーカーは2対1からイーヴンのオッズを出しています。またヒルズ師は同馬の1マイル再挑戦(唯一走った仏2000ギニーは8着)の可能性を否定しておらず、ブリーダーズ・カップ・マイルを目標の一つに挙げました。久々に登場した短距離界のスター、今後の動向に大注目です。

 

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