グッドウッド2008・3日目

グッドウッド競馬場の3日目、パターン・レースは次の3鞍でした。
フィリーズ・ステークス(GⅢ、3歳上牝、1マイル6ハロン)は3歳上牝馬による長距離レース。牝馬だけのステイヤー戦というのは珍しいレースで、当然ながら9月ドンカスターのパーク・ヒル・ステークスへのステップレースという位置にありますね。ここで好勝負した馬は、もちろんパーク・ヒルでも激突するでしょう。
9頭の登録がありましたが、2頭取り消して7頭立て。9対4の1番人気に支持されたゴドルフィンのフォーク・オペラ Folk Opera がデットーリの積極的な騎乗で逃げ切るかと思われましたが、グラヴィエーション Graviation が追い上げ、ゴールでは短頭差で差し切っていました。
3着は更に3馬身半遅れてミラクル・シーカー Miracle Seeker 。1・3着は共に3歳、2着は4歳馬です。
グラヴィエーションはジャーヴィス厩舎、アラン・ムンロが騎乗していました。2頭の3歳馬は、当然のようにパーク・ヒルが目標。どちらにしても古馬になってからの期待のほうが大きいでしょう。
アウディ・ステークス(GⅢ、3歳上、5ハロン)はスプリント戦。13頭の登録から1頭取り消して12頭立てです。
キングズ・スタンド4着のダンディー・マン Dandy Man が実績から1番人気に支持されましたが、勝ったのは伏兵インタイシング Enticing 。9対1人気の4歳馬です。(素直にエンタイシングと表記すべきかも知れませんが、なんか訛っているようで気になります)
外埒で叩き合うダンディー・マンとマスタ・プラスタ Masta Plasta の一騎討ちと思われた瞬間、馬場の真中からインタイシングが強烈に追い込んで勝ちを攫った格好。着差は1馬身、2・3着は1馬身4分の1。
勝馬の調教師はモーリーン・ハッガス、騎手はジョニー・ムルタです。
インタイシング、去年のこのレースではムーアハウス・ラッド Moorhouse Lad の2着でしたが、今年は雪辱。一方のムーアハウス・ラッド、今年は7着止まりでした。
アウディ・ステークスをハッガス厩舎のインタイシングで制したムルタ騎手、次は主戦を務めるオブライエン厩舎のあの馬でダブル達成です。
グッドウッド・カップ(GⅡ、3歳上、2マイル)は11頭登録から3頭が取り消して8頭立て。そう、アスコットの英雄イェーツ Yeats 登場です。
GⅡですから、GⅠ馬のイェーツには負担重量のペナルティーが課せられます。9ストーン12ポンドという重量が、他馬との関連でどうかというのも見どころでしたが、全く問題にならなかったようですね。
8対15という圧倒的な人気も背負い、終わってみれば2着タングステン・ストライク Tungsten Strike に何と7馬身差という圧勝劇。ムルタ騎手に言わせれば、アスコット・ゴールド・カップより楽だったとか。これをイギリスでは「肘掛け椅子の乗り心地」、“Armchair Ride”と言います。
3着は更に1馬身4分の1でサガラ Sagara 。
イェーツにとってグッドウッド・カップは2勝目、8対15(約1.5倍)という人気は、1986年のロングボート Longboat の1対3(約1.3倍)に次ぐ低い配当率。
このイェーツのワンマンショー、肝心のオブライエンさんはナマで観戦することが出来なかったようです。当日の朝、アイルランドのウォーターフォード空港付近は豪雨に見舞われ、フライトがキャンセルされたとのこと。イェーツとムルタは一足先にグッドウッド入りしていたのが幸いでした。
それやこれやでムルタくん、禁止場所で携帯電話を使っているのがバレ、罰金をしこたま取られたという逸話付き。
そうそう、この日の第1レース(フィリーズ・ステークス)に勝ったムンロくん、第4レースのハンデ戦にも勝ってグッドウッド・ダブルを達成しています。ムルタ騎手と並んで見事にダブルをやってのけました。

 

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