ハフ、渾身のブラームス
今年のプロムスも3回目の土曜日、7月29日は二日前にメナの指揮で悲愴を演奏したばかりのBBCフィルハーモニックが、今度はウイグルスワースの指揮でチョッと変わったコンサートを披露しました。
7月29日 ≪Prom 20≫
ブラームス/ピアノ協奏曲第1番
~休憩~
デヴィッド・ソウワー David Sawer/The Greatest Happiness Principle
ハイドン/交響曲第99番
BBCフィルハーモニック BBC Philharmonic
指揮/マーク・ウイグルスワース Mark Wigglesworth
ピアノ/スティーヴン・ハフ Stephen Hough
前半に名手でプロムスでも大人気のピアニスト、ハフがブラームスの第1協奏曲を弾き、後半は現代音楽とハイドンの交響曲で終わるという、ややアンチ・クライマックス感のあるプログラムです。
その前半、ブラームスについては特に紹介することもないでしょう。記事のタイトルにしたように、ハフ、渾身のブラームス。会場も熱狂的に喝采を送りましたが、アンコールはありませんでした。
後半の最初は1961年生まれの作曲家、ソウワーの旧作。この作品は今回の指揮者ウイグルスワースが初演したもので、12分ほど。唐突に終わる印象ですが、指揮を止めるのだそうな。
この作品はブラビンス指揮BBCフィルのNMC盤がNMLで聴けますし、作曲家に付いてはユニヴァーサルのホームページに詳しいプロフィールがあります。
http://www.universaledition.com/David-Sawer/composers-and-works/composer/632
スコアも購入可能、楽譜を見ながら聴きたいという方はこちらに紹介してください。
最後のハイドンは、バロック・ティンパニやナチュラル・トンペットを用いた古楽スタイル。ノン・ヴィブラートで繰り返しは完全実行がお好きな方は気に入るでしょう。
終楽章のフィナーレ、音楽がフェルマータで小休止する所で、終わりと勘違いして盛大な拍手が起きます。オケと指揮者は構わず演奏を続けたようで、アダージョによる数小節が聴こえなくなりました。
要するに皆騙されたんですが、ハイドンにはこの種の悪戯がいくつかありますよね。でもまさか99番で引っ掛かるとは思いませんでした。どうもプロムスのお客さんは余り良く知らないようですが、これを笑いに変えてしまうのが如何にも英国風。
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