カラヴァッジョ、2戦続けての凡走
出掛けていた間の競馬レポートも何とか追いついたようなので、直ぐに続けて昨日、8月6日にフランスのドーヴィル競馬場で行われたG戦3鞍を振り返りましょう。
この日の馬場は good 、いきなりG戦はモーリス・ド・ギースト賞 Prix Maurice de Gheest (GⅠ、3歳上、1300メートル)から始まります。13頭が出走し、前走ジュライ・カップ(GⅠ)こそ4着と期待を裏切ったものの、その前はロイヤル・アスコットでコモンウェルス・カップを快勝したカラヴァッジョ Caravaggio が再び8対5の1番人気に推されていました。
しかし何故かカラヴァッジョ、この日もスタートで出遅れ、止むを得ず後方からの競馬。去年このレースを逃げ切って勝った2番人気(42対10)のサインズ・オブ・ブレッシング Signs Of Blessing が2連覇を目指して再度の逃げ作戦に出ましたが、外枠スタートから徐々に馬体を馬場の中央に寄せて中団の後方に付けていた5番人気(104対10)のブランド Brando が馬場の中央を通って抜け出すと、後方から追い込む9番人気(38対1)の伏兵アクレイム Aclaim に半馬身差を付けて鮮やかな差し切り。やはり後方から伸びた最低人気(153対1)のトゥーピ Tupi が1馬身4分の3差で3着に入り、カラヴァッジョは漸く後半でエンジンが掛かったものの、4着争いの写真判定にも負けて6着と又もや期待を裏切ってしまいました。
この結果、1着から4着までを英国調教馬が独占し、地元フランス勢では逃げて粘ったサインズ・オブ・ブレッシングの5着が最高です。
勝ったブランドはケヴィン・ライアン厩舎、トム・イーヴスが騎乗した5歳せん馬で、GⅠ戦はこれが初制覇。今期はアバーナント・ステークス(GⅢ)に勝って始動し、続くデューク・オブ・ヨーク・ステークス(GⅡ)こそ着外に終わったものの、前走ジュライ・カップではカラヴァッジョに先着して3着に入っていました。
次の目標はヘイドック・スプリント・カップ(GⅠ)で、オッズはレース前の7対1から5対1に上昇しています。一方負けたカラヴァッジョはレース間隔が詰まり過ぎたのが敗因とのことで、ヘイドックでの雪辱を誓っています。それでもオッズはレース前の8対1から12対1へと急降下しました。
続いては、古馬牝馬による長距離戦のポモヌ賞 Prix de Pomone (GⅡ、3歳上牝、2500メートル)。6頭が出走し、英国からサー・マイケル・スタウト厩舎が送り込んだアビンドン Abingdon が17対10の1番人気。未だレース経験の浅い4歳馬ですが、前走ランカシャー・オークス(GⅡ)で2着の成長株。
最低人気(146対10)のトラフィック・ジャム Traffic Jam が逃げ、これを2番手の内で追走していた3番人気(37対10)のバティール Bateel が残り1ハロンで捉えると、そのままトラフィック・ジャムを首差抑えての優勝。先行した本命アビンドンは1馬身半差届かずの3着に終わりました。
勝ったバティールは去年までデヴィッド・シムコック厩舎に所属していましたが、今年からフランスでフランシス=アンリ・グラファール師が管理している5歳馬。前走ピナクル・ステークス(GⅢ)に続くG戦2連勝となります。
最後もポモヌ賞と同距離、こちらは牡馬たちによるルー賞 Prix de Reux (GⅢ、3歳上、2500メートル)。7頭立てとなり、3歳馬で前走パリ大賞典で6着に入ったパラベラム Parabellum が6対4の1番人気。3頭出しアンドレ・ファーブル厩舎の期待馬です。
レースは2番人気(37対10)のティベリアン Tiberian と、3番人気(39対10)のドーハ・ドリーム Doha Dream との逃げ争い。結局この2頭のせめぎ合いは最後まで続き、一旦2番手に下がったティベリアンが再び主導権を奪うと、ドーハ・ドリームを短頭差抑えて事実上の逃げ切り勝ちとなりました。後方に待機していた6番人気(156対10)のテイムリー Tamelly が1馬身半差の3着に追い込み、人気のパラベラムは後方待機も5着敗退。
アラン・クエティル厩舎、オリヴィエ・ペリエが騎乗したティベリアンは、5月8日にデドーヴィル賞(GⅢ)を制した5歳馬で、その時のレポートでも書いたように、今年は前走サン=クルー大賞典に挑戦して7着。予定通り秋はメルボルン・カップに向かうものと思われます。
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