8月5日のアメリカ競馬

前項に続き、本来なら昨日の昼頃にアップするはずだった土曜日のアメリカ競馬をレポートしていきましょう。
この日は3つの競馬場で合計6鞍のG戦が行われています。

最初はサラトガ競馬場の3鞍をレース順に。最初のウェイア・ステークス Waya S (芝GⅢ、3歳上牝、12ハロン)は firm の馬場に1頭が取り消して7頭立て。今年初めにラ・プレヴォヤンテ・ステークス(芝GⅢ)、ザ・ヴェリー・ワン・ステークス(芝GⅢ)と芝のG戦を2連勝したサフューズド Suffused が4対5の1番人気。
2番人気(3対1)のアップル・ベティー Apple Betty が逃げ、サフューズドはこれをマークして2番手。第4コーナーで本命馬が外から逃げ馬を捉えて予定通り先頭に立ちましたが、離れた4番手を追走していた5番人気(9対1)のエストレチャーダ Estrechada が更に外から伸びてサフューズドを捉えると、5番手から追い上げる3番人気(6対1)のロッティー Lottie に半馬身差を付けて優勝。3番手を進んだ6番人気(10対1)のサマーソールト Summersault が首差の3着で続き、サフューズドは5着に沈んでしまいました。
マイク・パイプ厩舎、ハヴィエル・カステラノ騎乗のエストレチャーダは、アルゼンチンからやって来た6歳馬。これがアルゼンチン、アメリカを通じてG戦初制覇となり、アメリカでの初勝利でもあります。去年のBC開催で行われたマラソン・ステークス(GⅡ)9着がアメリカ・デビューで、サンタ・マルガリータ(芝GⅠ)5着、サンタ・バーバラ(芝GⅢ)3着など。前走一般ステークス(リヴァー・メモリーズ・ステークス)も6着でしたから、ここは大駈けだったと言えそうです。

続いてはこの日組まれていたGⅠ戦2鞍の一つ、テスト・ステークス Test S (GⅠ、3歳牝、7ハロン)。fast の馬場に10頭が参戦し、前走サマータイム・オークス(GⅡ)を制したフェイピエン Faypien が2対1の1番人気。
激しい先頭争いを制したのは、5番人気(11対1)のシャロン Chalon 。フェイピエンは3番手を追走しましたが、前を行った4頭が雁行するように並んで直線に入ると、4番手に付けていた僅差2番人気(2対1)のアメリカン・ギャル American Gal が大外を通って先頭に立ち、フェイピエンに4馬身の大差を付ける完勝となりました。6番手から追い込んだ4番人気(10対1)のテキリータ Tequillita が半馬身差の3着。
サイモン・キャラガン厩舎、ホセ・オルティス騎乗のアメリカン・ギャルは、前走ヴィクトリー・ライド・ステークス(GⅢ)に続くG戦2連勝で、これがGⅠ戦は初勝利。去年はBCジュヴェナイル・フィリーズで3着、次いでスターレット・ステークスでも後のオークス馬エイベル・タスマン Abel Tasman の2着していた実力馬で、GⅠ馬になって当然という結果でしょう。

サラトガの最後は、ホイットニー・ステークス Whitney S (GⅠ、3歳上、9ハロン)。勝馬には優先的にBCクラシックへの出走権が与えられる一戦で、7頭立て。ここは古馬の分野では2番手の実力馬ガン・ランナー Gun Runner が3対5の断然1番人気。先日最強馬アロゲート Arrogate が敗れただけに、ガン・ランナーのレース振りに注目が集まります。
最低人気(62対1)コーシャス・ジャイアント Cautious Giant の逃げを2番手でマークしたガン・ランナー、早くも第3コーナーで逃げ馬を捉えると、直線は独走。最後方から追い込む2番人気(3対1)のキーン・アイス Keen Ice に5馬身4分の1差を付けて貫録を見せ付けました。3番手を進んだ5番人気(12対1)のブレイキング・ラッキー Breaking Lucky が更に1馬身4分の1差で3着。
スティーヴン・アスムッセン厩舎、フロラン・ジェルー騎乗のガン・ランナーは、これが通算でG戦7勝目となる4歳牡馬。そのキャリアを改めて紹介するまでもないでしょうが、去年のダービー3着馬で、トラヴァース・ステークスでは宿敵アロゲートの3着。今年初めにドバイ・ワールド・カップに遠征し、又してもアロゲートの2着に敗れていました。ここは前走スティーヴン・フォスター・ハンデからGⅠ戦2連勝とし、次なるアロゲートとの対決で雪辱を果たす準備は万端と言えるでしょう。

次はマウンテニアー・カジノ競馬場のウエスト・ヴァージニア・ダービー West Virginia Derby (GⅢ、3歳、9ハロン)を取り上げましょうか。去年までGⅡ戦でしたが、今年からGⅢに降格されています。fast の馬場に1頭の取り消しがあって10頭立て。ダービーは14着ながらベルモント・ステークスで3着に食い込んだパッチ Patch が2対1の1番人気。
スタートして暫くして先頭に立った5番人気(7対1)のカーネルスダークテンパー Colonelsdarktemper が、3番手から追い込む2番人気(4対1)のゲーム・オーヴァー Game Over に1馬身差を付ける逃げ切り勝ちでゲーム・オーヴァー。最後方からダービー3着馬で僅差3番人気(4対1)のルッキン・アット・リー Lookin At Lee が3馬身4分の1差の3着に追い込み、パッチは首差及ばず4着に終わっています。
ウイリアム・ファイアーズ厩舎、今年56歳になる大ヴェテランのジョン・ケントン・コートが騎乗したカーネルスダークテンパーは、5月末にチャーチル・ダウンズのアローワンス戦に勝ち、6月のチャーチルではマット・ウイン・ステークス(GⅢ)で2着、更に前走7月にはインディアナ・ダービー(GⅢ)でも2着しており、これがG戦初勝利となります。

8月5日の最後はデル・マー競馬場からの2鞍。先に行われたソレント・ステークス Sorrento S (GⅡ、2歳牝、6.5ハロン)は、開催最初の2歳牝馬戦。7頭が出走し、デビューから2戦2勝、前走リステッド戦(ランダルーシー・ステークス)を8馬身差で圧勝したサレンダー・ナウ Surrender Now がイーヴンの1番人気。
そのサレンダー・ナウがスタートから飛ばして先頭を走りましたが、何故か第4コーナー手前でズルズルと後退。替わって2番手でマークしていた3番人気(4対1)のスペクテイター Spectator が自然に先頭に立ち、そのまま5番手から追い込む4番人気(17対1)のダンシング・ベル Dancing Belle に5馬身4分の1の大差を付けて楽勝しました。3番手を進んだ最低人気(50対1)のテラズ・エンジェル Terra’s Angel が更に4馬身半差で3着に入り、人気のサレンダー・ナウは7着最下位でレースを終える波乱です。
フィリップ・ダマト厩舎、ジェイミー・セリオ騎乗のスペクテイターは、6月23日のサンタ・アニタのデビュー戦に勝って、これで2戦2勝。今年の2歳牝馬路線1番乗りを果たしました。

お仕舞はイエロー・リボン・ハンデキャップ Yellow Ribbon H (芝GⅡ、3歳上牝、8.5ハロン)。去年は7月16日に行われていたレースで、今年は firm の芝コースに1頭が取り消して7頭立て。去年のラジオ・ドライヴ・ステークス(芝GⅠ)の覇者でBCフィリー・アンド・メア・ターフ3着、前走ゲイムリー・ステークスも3着のアヴェンジ Avenge が4対5の1番人気。
5番人気(10対1)のジューノー Juno が逃げ、アヴェンジは2番手を追走。しかしペースが速かったか、先行した馬は総崩れとなる展開の中、5番手を進んだ2番人気(2対1)のカンボディア Cambodia が、後方2番手から伸びた3番人気(9対1)のプレティー・ガール Pretty Girl に4分の3馬身差を付ける差し切り勝ち。やはり最後方から伸びた6番人気(14対1)のアンボセリ Amboseli が頭差で3着に入り、アヴェンジは6着敗退。
トーマス・プロクター厩舎、ドライデン・ヴァン・ダイク騎乗のカンボディアは、前々走でピムリコのギャロレット・ステークス(芝GⅢ)に勝ったのがG戦初勝利。前走はパークス・レーシングのドクター・ジェームス・ペニー・メモリアル(芝GⅢ)が3着で、これがG戦2勝目となりました。

 

 

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