ストウールゴールズの北欧とドイツの音楽

ストウールゴールズの北欧とドイツの音楽

今年のプロムス、このところ声楽付きの大曲、しかも長大な作品を立て続けに聴いてきて些か疲れました。
ということで、9日のプロム32はお休みすることにしました。内容はBBCウェールズをライアン・ウイグルスワースが指揮する英国作品プログラムでしたが、エルガーのエニグマ変奏曲以外は余り知られていない作品。1日置いた10日のプロムを取り上げましょう。

8月10日 ≪Prom 33≫
シベリウス/カレリア組曲
シベリウス/交響詩「ルオンノタール」
グリーグ/「ペール・ギュント」抜粋
     ~休憩~
シューマン/チェロ協奏曲
ヒンデミット/交響曲「画家マチス」
 BBCフィルハーモニック BBC Philharmonic
 指揮/ジョン・ストウールゴールズ John Storgårds
 ソプラノ/リゼ・ダヴィドセン Lise Davidsen
 チェロ/アルバン・ゲルハルト Alban Gerhardt

ストウールゴールズはフィンランドの指揮者、プログラム前半は北欧の作品、後半にドイツ作品というプログラムです。当初の発表、BBCプロムスのサイトも当日まで上記の如く公表されていましたが、演奏が始まると違った展開に・・・。
私もシベリウスの2作品とグリーグのペール・ギュントの2つの組曲を用意し、先ずカレリア組曲のスコアを置いて聴き始めたのですが、コメンテイターの話はグリーグから。変だな、と思っていると、最初に演奏されたのはグリーグでした。それも組曲じゃない。

ここで放送を一旦止め、ペール・ギュントの全曲版(ペータースの大型スコア)を取り出してきて、もう一度最初から聴き直しとなりました。結局「グリーグ/「ペール・ギュント」抜粋」とあったのは組曲からの良い所取りではなく、次の順で演奏されました。即ち、
①序曲 ②第2組曲の第1曲「花嫁の略奪」 ③第1組曲の第1曲「朝」 ④全曲版の19曲「ソルヴェイグの歌」 ⑤全曲版の第9曲「山の魔王の娘の踊り」です。もちろんソルヴェイグの歌は組曲版ではなく、オリジナルの歌が入るもの。ここでダヴィドセンが舞台上手から登場。歩いてくる足音もハッキリと聞こえました。

民会がプロムス・デビューとなるダヴィドセンはノルウェーのソプラノで、声質はソプラノというよりメゾに近く、暗めの音色が如何にもペールの母親と言う雰囲気にピタリでしたね。
グリーグに続いて演奏されたのは、シベリウスの交響詩「ルオンノタール」。これもカレワラ譚の1曲で、ソプラノ・ソロも入る珍しい交響詩ですね。
最後は有名なカレリア組曲で前半を締め括る、という形に演奏順が入れ替わっていました。もちろん実際にアルバート・ホールでは告知があったのでしょう。あるいはプログラム(毎回立派な冊子になっています。もちろん有料)も変更後の曲順に印刷されていたのかもしれません。

後半は告知通りの曲順で、最初がドイツの若手チェリストによるシューマン、演奏会の締め括りがヒンデミットでした。特に触れることもありませんが、BBCフィルはトゥルトゥリエの指揮でヒンデミットをたくさんシャンドスに録音していましたから、これは得意の演目だったのでしょう。

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