逃切り2態

8月の第2土曜日、余り夏らしくない気候の英国でG戦が2鞍行われました。因みにこの日はアスコット競馬場で騎手のオリンピック、シャーガー・カップも行われましたが、それは最後に。

時間的に先に行われたのが、ヘイドック競馬場のローズ・オブ・ランカスター・ステークス Rose Of Lancaster S (GⅢ、3歳上、1マイル2ハロン100ヤード)。good to soft の馬場に2頭が取り消して11頭立て。デビューから無傷の3連勝、前走アスコットのハンデ戦に勝って参戦の3歳馬ララーイブ Laraaib が2対1の1番人気に推されていました。
本命と同じ3歳馬で4番人気(8対1)のフランクース Frankuus が逃げ、ララーイブは中団。しかし逃げ馬のペースは絶妙、先行馬群の中から2番人気(6対1)の6歳馬マウント・ローガン Mount Logan が抜け出して捉えに掛かりましたが、結局は4分の3馬身差を付ける逃げ切り勝ち。人気のララーイブも最後に3番手まで上がりましたが、2着馬からは5馬身も離された3着と期待を裏切ってしまいました。

勝ったフランクースはマーク・ジョンストン厩舎、ジョー・ファニング騎乗のフランケル Frankel 産駒。2歳時にフランスでコンデ賞(GⅢ)に勝っており、G戦は2勝目。今期はサンダウン・クラシック・トライアル(GⅢ)3着、キング・エドワード7世ステークス(GⅡ)8着とG戦では一息足りない成績でしたが、漸くシーズン初勝利となりました。
ジョンストン師はこのレース2勝目、ファニング騎手も3勝目となりましたが、二人のコンビネーションで勝ったのはこれが最初となります。

次はニューマーケット競馬場のジュライ・コースで行われたスイート・ソレラ・ステークス Sweet Solera S (GⅢ、2歳牝、7ハロン)。こちらも馬場は good to soft 、9頭が出走し、前走同じニューマーケットの同距離でデビュー勝ちしたポエティック・チャーム Poetic Charm が11対4の1番人気。
スタートすると馬群は二手に分かれ、馬場の中央を最低人気(20対1)のジュリエット・キャピュレット Juliet Capulet が、スタンド側を5番人気(10対1)のタヤーヌス Tajaanus が逃げる展開。結局逃げ馬同士の争いが最後まで続き、タヤーヌスがジュリエット・キャピュレットを1馬身抑えての逃げ切り勝ちです。スタンド側の2番手を追走していた3番人気(5対1)のカプラ・テンプトレス Capla Temptress が1馬身差の3着に入り、人気のポエティック・チャームは中央グループで先行していましたが5着と期待を裏切りました。

リチャード・ハノン厩舎、デーン・オネイル騎乗のタヤーヌスは、5月にニューマーケットでデビュー勝ち。続く同じニューマーケットのリステッド戦は6着に敗れましたが、前走サンダウのリステッド戦を鼻差で勝って、これがG戦初挑戦での初勝利。来年の1000ギニーに33対1のオッズが出されました。今期はロックフェル・ステークス、フィリーズ・マイルでクラシック馬としての素質が試されることになるでしょう。
ハノン師はこのレース、去年に続いて2連覇。またオネイル騎手は2014年と2015年にも連勝しており、これが3勝目。ヘイドックのG戦同様、ハノン/オネイルのコンビで勝ったのは、これが初めてでした。

最後にシャーガー・カップについて簡単に。全6レースをチームのポイント制(一人5レース騎乗、全レースとも10頭立て)で争われるのは例年通りで、今年は英愛チームが優勝。日本から参加した戸崎圭太騎手のワールド・チームは2位でした。
戸崎ジョッキーは第1レース10着(最下位)、第2レース3着、第3レースも10着最下位、第4レースは不参加、第5レース9着、最終第6レースが5着と言う結果で、第2レースだけ僅かに貢献したことになります。競馬の場合はあくまでも馬が主体ですから、この結果がそのまま騎手の技量に繋がるわけではありません。国際交流の一環として楽しんできてもらえば良いのではないでしょうか。

 

 

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