人気馬総崩れのドーヴィルＧ戦
日曜日はドーヴィル競馬場でも３鞍のＧ戦が行われました。その内２鞍はＧⅠ戦で、夏のドーヴィルもそろそろ終盤戦です。この日は馬場が乾いて good 、どうやらこれがサプライズの要因になったようでした。
最初は、いきなりＧⅠ戦のジャン・ロマネ賞 Prix Jean Romanet (ＧⅠ、４歳上牝、２０００メートル)。１０頭が出走し、ゴスデン厩舎が送り込んだソ・ミ・ダー So Mi Dar が６対４の１番人気。今週のヨークにも登録がありましたが、フランスの方が相手組みし易しと判断しての遠征。それが１番人気にも繋がっていたようです。
思い切って逃げたのは、意外にも７番人気(１４４対１０)のアジマン・プリンセス Ajman Princess 。そのまま逃走劇が続き、中団から伸びる３頭の争いを尻目に１馬身４分の１差で逃げ切ってしまいました。写真判定の２着争いは３番人気(５４対１０)のシユーシェイク Siyoushake が短頭差で制し、２番人気(３７対１０)のレフト・ハンド Left Hand が３着。人気のソ・ミ・ダーは２着争いにも加われず、失望の５着に終わりました。
ロジャー・ヴァリアン厩舎、アンドレア・アッゼニが騎乗したアジマン・プリンセスは、何とこれがＧ戦初勝利にしていきなりのＧⅠ勝ち。今期はリングフィールドの一般戦とグッドウッドのリステッド戦に連勝し、ヘイドックではピナクル・ステークス(ＧⅢ)とランカシャー・オークス(ＧⅡ)で何れも３着には来ていました。
今回はオーナーであるシェイク・モハメド・オバイド氏のアドバイスで戦術変更。これまでの差し競馬から逃げ競馬に転じたことと、成績が今一だった重馬場ではなく、good にまで回復した馬場が勝因だったようです。オペラ賞とアメリカのＢＣにも登録がありますが、地元イギリスのＢＣ(ブリティッシュ・チャンピオンズ)フィリー・アンド・メアのオッズも、レース前の２５対１から１４対１に上がりました。
次もＧⅠ戦で、モルニー賞 Prix Morny (ＧⅠ、２歳牡牝、１２００メートル)。８頭が出走し、前走カブール賞(ＧⅢ)に勝って２連勝の地元タンシーム Tantheem が１３対５の１番人気。
５番人気(３１対５)で英国から遠征のハヴァナ・グレイ Havana Grey が逃げ、タンシームは内を先行。しかし前半は最後方に待機した４番人気(５７対１０)のアンフォーチュネイトリー Unfprtunately が馬場の中央を突き抜けると、逃げたハヴァナ・グレイに１馬身４分の１差を付ける鮮やかな差し切り勝ち。後方から伸びた２番人気(４対１)のディファレント・リーグ Different League が短頭差の３着に入り、タンシームは７着大敗で期待を裏切りました。
実は勝馬も２着馬も英国のカール・バーク厩舎で・バーク師のワン・ツー・フィニッシュ。勝ったアンフォーチュネイトリーは、前走ロベール・パパン賞(ＧⅡ)に続くＧ戦２連勝で、何故人気が無かったのか不思議です。今回はブリンカーを初めて装着していたことで、気性に疑問が持たれていたのかも知れませんね。
バーク師によれば、２頭は調教友達。常にスピードではハヴァナ・グレイが勝っていたものの、最後はアンフォーチュネイトリーが捕まえるという日々だったようです。来年のコモンウェルス・カップに１６対１のオッズが出ましたが、今期の目標はミドル・パーク・ステークス(ＧⅠ)になる模様。
ドーヴィルの最後はケルゴレー賞 Prix Kergorlay (ＧⅡ、３歳上、３０００メートル)。２頭が取り消して８頭立てとなり、去年の勝馬で前走サン＝クルーで３２００メートルのリステッド戦にも勝っているニアリー・コート Nearly Caught が５対２の１番人気。
スタートが良かった６番人気(１２対１)のホールドタシグリーン Holdthasigreen が逃げましたが、２ハロン行ったところで２番人気(１４対５)のマルメロ Marmelo が先頭に立っての逃げ。そのままマルメロがスタミナ勝負に持ち込むと、最後方から追い込む４番人気(３１対５)のデザート・スカイライン Desert Skyline に１馬身４分の１差を付けて逃げ切り勝ち。１馬身差でホールドタシグリーンが３着に粘りました。人気のニアリー・コートも後方から外に出して追い上げたものの４着止まりで連覇成らず。
ハギー・モリソン厩舎、クリストフ・スミオンが騎乗したマルメロは、今期初戦４月にバルヴェヴィユ賞(ＧⅢ)に優勝し、続く５月ヨークシャー・カップ(ＧⅡ)で５着。前走７月にもフランスに遠征し、モーリス・ド・二エィユ賞(ＧⅡ)が２着でした。スミオンの好騎乗で今シーズン二つ目のＧ戦勝ちとなった４歳ステイヤーです。
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