毎年恒例、英国ユース・オケ
2週目に突入した今年のプロムス、金曜日は月面着陸シリーズのコンサートでしたが、小生には守備範囲外の内容。一日パスして17日の土曜日に行われた英国ユース・オケを聴きましょう。
7月27日 ≪Prom 12≫
レーラ・アウエルバッハ Lera Auerbach/イカルス Icarus(ロンドン初演)
チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲
~休憩~
プロコフィエフ/バレエ「ロメオとジュリエット」組曲
National Youth Orchestra of Great Britain
指揮/マーク・ウイグルスワース Mark Wigglesworth
ヴァイオリン/ニコラ・ベネデッティ Nicola Benedetti
英国ナショナル・ユース・オケはここ数年毎年登場し、プロムス名物なった感があります。今年の指揮者はウイグルスワース。たまたま昨日はミューザ川崎のフェスタに出掛けた所、配られたチラシの中に今年12月に東響定期に客演するウイグルスワースの公演案内が挟まっていました。メインはマーラーの巨人だそうです。
日本でもお馴染みになりつつあるウイグルスワース、13歳から18歳までの若者で構成されるユース・オケのプログラムは3曲。
最初はユダヤ系ロシア人作曲のアウエルバッハで、今年のプロムスで数多く紹介されている女性作曲家の一人でもあります。プロフィールはホームページで確認してください。
アウエルバッハの出版社はシコルスキーで、今回がロンドン初演となるイカルスも同社から出版されています。作品についての解説はありませんが、タイトルからして今年のテーマ、宇宙探検シリーズの一環とも言えそうですね。
スコアは以下のシコルスキーのサイトから飛んで閲覧すること出来ますが、有料楽譜閲覧サイトの nkoda の方が見易く、私も自分のプレイリストに登録しました。
https://www.sikorski.de/475/en/0/a/0/orchestral_music/1038583_icarus_for_orchestra.html
スコアの序文にあるように、デュッセルドルフ交響楽団の委嘱で作曲され、2011年7月にシャルル・デュトワの指揮で初演されたもの。音楽も聴き易く、スコアも然程難しくはありませんから万人向きの音楽と言えるでしょう。
前半の2曲目は、プロムスでも大人気のベネデッティを迎えての名曲チャイコフスキー。彼女が登場するだけで会場からは大歓声が起き、第1楽章が終わっただけで喝采が乱れ飛んでいました。
その声援にこたえ、ベネデッティは洒落たスピーチに続いてアンコール。ウィントン・マルサリスのフィドル・ダンス組曲から第2楽章「As the Wind Goes」をウットリと聴かせてくれました。
後半はプロコフィエフのバレエ。通常取り上げられる組曲ではなく、ウイグルスワースがバレエ全曲から7つほどの場面を選んでの抜粋。最近、この名作は指揮者が自らの判断で演奏するピースを選ぶことが多いようです。
オーケストラにもアンコールがあり、バーンスタインのウェスト・サイド・ストーリーからマンボ。これで客席の盛り上がりも頂点に達しました。
なお、英国ユース・オケのカウンター・パートナーであるアメリカ・ユース・オケは、8月11日のプロムスに登場します。
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