BBCウェールズ管演奏会、第二夜
前日に続き、12日にプロムはソンダーガード指揮BBCウェールズ管の第2夜でした。プログラムは前日とほぼ同じ趣向の選曲です。
8月12日 ≪Prom 37≫
ウォルトン/パルティータ
ヒュー・ワトキンス Huw Watkins/チェロ協奏曲(BBC委嘱作品、世界初演)
~休憩~
ウェーベルン/パッサカリア
ブラームス/交響曲第4番
BBCウェールズ・ナショナル管弦楽団 BBC National Orchestra of Wales
指揮/トーマス・ソンダーガード Thomas Søndergård
チェロ/ポール・ワトキンス Paul Watkins
冒頭に演奏されたウォルトン作品はジョージ・セル指揮クリーヴランド管弦楽団のために作曲され、その黄金コンビによって初演されたもの。LPに録音されたものが今でも決定盤となっています。もちろんCDでも聴ける3楽章作品。
バッハを連想させるトッカータ、パストラーレ・シチリアーナ、ジーグ・ブルレスカから成り、如何にもウォルトンらしい快活で動きに満ちたオーケストレーションが楽しめました。
この日の目玉は、2曲目のBBC委嘱作品の世界初演でしょう。今年のテーマ、チェロ協奏曲に沿ったものでもあります。
作曲家ヒューとチェリストのポールは6つ違いの兄弟で、チェロを弾く1970年生まれのポールが、1976年生まれの作曲家の兄。ヒューは中々の多作家ですが、チェロ協奏曲は初ということで、満を持しての作品。両親に捧げる3楽章構成です。
ワトキンスの作品はショット社から出版されており、その詳しいプロフィールは↓
チェロ協奏曲も作品リストに上がっていますが、初演されたばかりなのに「品切れ」ってどういうことでしょうか?
https://en.schott-music.com/shop/cello-concerto-2.html
兄ポールは、2013年のプロムスでルトスワフスキの協奏曲を弾いて大成功していました。ピアニストでもあるヒューとポールはCDでも共演しており、ニンバスにヒューのチェロ・ソナタを含む英国のチェロ・ソナタ集があり、NMLでも聴くことが出来ます。
後半の2曲は、言うまでもなくパッサカリア繋がりの2曲。ブラームスの第4は、初日に演奏されたドヴォルザークの第7とほぼ同じ時期に作曲されており、二晩連続演奏会の根拠でもありましょう。
ところで次回、8月13日土曜日のプロム38はガーシュウィンを中心にしたジャス・プログラムなのでパスし、14日のBBC響から再スタートしましょう。
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