サロネンのドイツ・オーストリア音楽

ほぼ毎日聴いているプロムス、昨日9日は一日パスしました。ワーナー・ブラザーズ特集ということでコルンゴルト作品も演奏されましたが、ここは一日休憩です。
ということで今年のプロムスも第4週目に突入、ということは第1週目のプログラムが聴けるのも残り1週間ということで、聴き逃した皆さんは今のうちに聴いておきましょう。

さて第4週は名指揮者、というか世界的に名の通った指揮者が次々に登場する注目週で、10日はサロネンとフィルハーモニア、サロネンには比較的珍しいドイツ系の音楽によるプログラムでした。

8月10日 ≪Prom 31≫
ブラームス/ハイドンの主題による変奏曲
R.シュトラウス/四つの歌 作品27
     ~休憩~
ブルックナー/交響曲第4番(1878-80年ノヴァーク版)
 フィルハーモニア管弦楽団
 指揮/エサ=ペッカ・サロネン Esa-Pekka Salonen
 ソプラノ/リーゼ・ダヴィドセン Lise Davidsen

比較的珍しい、と言ってもサロネンは既にロサンジェルス・フィルとブルックナーの第4を録音(ソニー)していますし、苦手なわけではないでしょう。私は彼の指揮では近現代の作品が多いので、えッ、サロネンてブルックナーも振るのか、と思っただけ。素直に楽しみましょう。

ブラームスの堂々たる変奏曲に続いては、シュトラウスの管弦楽伴奏付きの歌曲集。ソロはノルウェーのソプラノで、フラグスタートの再来と噂される美声の持ち主です。選ばれた歌曲集は、演奏会の定番である4つの最後の歌ではなく、新婚当時に書かれた作品27の4曲。ダヴィドセンはデッカにサロネンと同曲を録音しており、NMLでも聴くことができます。

1.憩え、わが魂 2.チェチーリエ 3.ひそやかな誘い 4.あすの朝 の4曲から成り、3以外は全てシュトラウス自身がオーケストレーションした版がブージー社の管弦楽付き歌曲全集のスコアに収められています。
問題は3番目で、今回取り上げられたものが誰のアレンジ化は判りませんでした。ただ、無料楽譜サイトのペトルッチにはジョン・モリソンによるオーケストレーション(2009年)が掲載されていて、私はこれをダウンロードして確認してみましたが、良く似てはいるものの微妙な相違もあります。シュトラウス本人のアレンジが別に存在するのでしょうか。
因みにモリソン版は通常の2管編成にイングリッシュ・ホルン、バス・クラリネットが加わるもので、これは第1曲のシュトラウス自身のオーケストレーションと同じです。

意外にもアンコールがあって、ワーグナーの歌劇「タンホイザー」から歌の殿堂のアリア。これも上記デッカ盤に含まれています。

後半はブルックナー。ところが最初のホルン動機が終わった所でアクシデントが起きます。客席から男性と思われる人の喚き声が・・・。
何か判りませんが、聴衆同士のトラブルがあったのか、意図的な妨害なのか。サロネンも40小節ほどで演奏を停止してしまいました。
ここで客席から拍手が起き、不平分子が退場する(させられる?)のを確認し、もう一度冒頭から再開し、あとは最後まで順調に演奏されました。

私は少し早起きしてライヴ放送を聴いていたのですが、その後放送される収録版にもそのまま録音されているかは不明です。
この種のアクシデント、7月22日のプロムス6でも聴かれましたが、ブレクジットを目前にして英国には不穏な動きがあるのでしょうか。日本では見られない風景でした。

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