ビチュコフのドイツ・オーストリア音楽

11日の日曜日に行われたプロムス、オーケストラは昼夜2公演で、昼の部は前回レポートしました。そのあと川崎に遠征したため、夜の公演を聴いたのがさきほど。昼はパッパーノ、夜はビチュコフが聴けるという豪華な日曜日でした。

8月11日 ≪Prom 33≫
デトレフ・グラネルト Detlev Glanert/Weites Land
シューベルト/ソプラノと管弦楽のための「孤独」 Einsamkeit (グラネルト編)
     ~休憩~
マーラー/交響曲第4番
 BBC交響楽団
 指揮/セミョーン・ビチュコフ Semyon Bychkov
 ソプラノ/クリスティーナ・ガンチ Christina Gansch

ビチュコフはプロムスの常連で、ほとんど毎年のように聴いている印象がありますが、全曲ドイツ物というプログラムは案外珍しいような気もします。ドイツ物と言っても前半の2曲は、日本では中々聴けない作品。

デトレフ・グラネルト(グラナートと表記することもあり)は、2005年の札幌PMFに作曲の教授として参加していますから、札幌で直に接した方もおられると思います。現代ドイツを代表するオペラ作曲家で、ドイツの大作曲の作品を中心に、多くの作品を新しくオーケストレーションすることでも知られている人。今回はグラネルトの自作と、シューベルト歌曲の編曲を聴くことができました。詳しいプロフィールに付いては出版社ブージー&ホークスのホームページをご覧ください。

http://www.boosey.com/composer/Detlev+Glanert

今回の2曲、自作も編曲もブージー・オンライン・スコアで閲覧しながら聴くことができますから是非お試しされることをお勧めします。
最初のヴァイテス・ランドは英国初演。「ブラームスと共に」という副題が付いており、ブラームスの第4交響曲に出現する3度下降が屡々出現してきます。だからと言って直接の引用があるわけではないようで、ご自身の目と耳で確認してください。

続くシューベルトは22分も掛かる大曲で、シューベルト歌曲では最も長い作品。D620という整理番号が付いています。
このオーケストレーションで聴くと、シューベルトというより遥かに新しい感覚で響くのが不思議。グラネルト作品として聴いて良いでしょう。

シューベルトに続いて後半のマーラーも歌うガンチは、オーストリアのソプラノ。9月チューリッヒでクルレンツィス指揮のドン・ジョヴァンニでツェルリーナを歌う予定もあり、気に入った方は出掛けてみては・・・。

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