今年のプロムス、オペラ第一弾はフィデリオ
20日のプロムスはジョン・ウィリアムズ特集でしたから、当欄はパス。1日休んで21日のオペラ公演を聴きましょう。
今年のプロムスで上演されるオペラは4本(一つはファウストの劫罰ですから正確な意味ではオペラじゃありませんが)ですが、3本は言わば「政治オペラ」。その第一弾が21日のフィデリオです。
7月21日 ≪Prom 9≫
ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」(演奏会形式)
BBCフィルハーモニック BBC Philharmonic
指揮/ファンホ・メナ Juanjo Mena
フロレスタン/スチュアート・スケルトン Stuart Skelton
レオノーレ/リカルダ・マーベス Ricarda Merbeth
ロッコ/ジェームス・クレスウェル James Creswell
マルツェリーナ/ルイーズ・オールダー Louise Alder
ヤッキーノ/ベンジャミン・ヒューレット Benjamin Hulett
ドン・ピツァーロ/デトレフ・ロート Detlef Roth
ドン・フェルナンド/デヴィッド・ソアー David Soar
合唱/オルフェオン・ドノスティアーラ Orfeon Donostiarra
フィデリオについては特に触れることもないでしょう。演奏会形式ですから特に衣裳も舞台装置も無く、若干の演技はもちろんあったと思います。
普通に第1幕と第2幕の間には20分間の休憩がありましたが、この上演ではレオノーレ序曲第3番が演奏されなかったことをレポートしておきましょう。
出演者の内、ロッコを歌ったクレスウェルは、当初予定されていたブリンドリー・シェラット Brindley Sherratt が体調不良のため交替した方です。
私は最近のオペラ事情には疎いのですが、この公演では日本でもお馴染みの歌手が揃っていたようですね。例えば、
フロレスタンのスケルトンは東京でもピーター・グライムズを歌ったヘルデン・テノールですし、
レオノーレのマーベスもワーグナー歌手として活躍中ですから何処かで聴かれた方も多いでしょう。
マルツェリーナ役のオールダーは今年、カーディフでジョーン・サザーランド聴衆賞を受賞した注目の新人で、フランクフルトでのクセルクセスの映像がNHKで放映されたばかりです。
ヤッキーノのヒューレットは新日の第9(ブリュッヘン指揮)で来日したテノールですし、ドン・ピツァーロを歌ったロートも新国立劇場のフィガロでアルマヴィーヴァ伯爵を歌っていたそうです。このピツァーロにはブーが飛びますが、もちろん歌唱が拙かったからではなく、役柄に対してのブー。客席からも笑いが漏れていました。
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