真夏の第9

最近のプロムス、毎年のように何処かのオケ、誰かの指揮でベートーヴェンの第9が演奏されることが習慣になっているようで、今年も真夏の第9がロイヤル・アルバート・ホールに響き渡りました。

8月19日 ≪Prom 43≫
ジョナサン・ドーヴ Jonathan Dove/We Are One Fire (世界初演)
ディーター・アマン Dieter Ammann/ピアノ協奏曲(世界初演)
     ~休憩~
ベートーヴェン/交響曲第9番
 BBC交響楽団
 指揮/サカリ・オラモ Sakari Oramo、ニール・フェリス Neil Ferris
 ピアノ/アンドレアス・ヘフリガー Andreas Haefliger
 ソプラノ/アヌー・コムジ Anu Komsi
 コントラルト/ヒラリー・サマーズ Hilary Summers
 テノール/ミカエル・ウェニイウス Michael Weinius
 バス/ミカ・カレス Mika Kares
 合唱/BBCシンフォニー・コーラス

第9のコンサート、日本でも何を組み合わせるかが話題ですが、今年はプログラム前半に世界初演が二つ並ぶ珍しいコンサートとなりました。
最初のドーヴはBBCの委嘱、続くアマンはBBCの他にボストン響、ウィーン楽友協会、ルツェルン音楽祭、ミュンヘン・フィル、台北交響楽団の共同委嘱となる作品です。

冒頭のジョナサン・ドーヴは混声8部による無伴奏合唱曲で、オーケストラは入りません。この曲のみプロムス・デビューとなるフェリスが指揮しました。ドーヴの出版社は主にペータースで、プロフィールはホームページをご覧下さい。

https://www.jonathandove.com/

世界初演2作目は、スイス生まれでジャズ・プレイヤーでもあるアマンのピアノ協奏曲。同じスイスの音楽仲間であるアンドレアス・ヘフリガーがソロを担当します。アマンはこんな作曲家。

http://www.dieterammann.ch/

ピアノ協奏曲にはグラン・トッカータという副題が付いていおり、大規模な打楽器セクションが使われる複雑で長大な作品。前半だけで一つのコンサートが完結してしまうくらい、滞空時間の長い演奏会となりました。

メインの第9に付いては改めて書くこともないでしょう。去年はランニクルス、一昨年は中国の女性指揮者シャン・ジャンが振っており、オーケストラは毎年代わっています。
今年はソプラノとバスがプロムス・デビュー、演奏後にコメンテイターが暗譜で歌ったと態々紹介していましたが、日本とは違って年がら年中第9が演奏されているわけじゃありませんね。

今回はソリストたちも冒頭から入場していたようで、楽章間で演奏者を迎え入れる拍手はありませんでした。(それでも第1楽章と第2楽章の後には軽い拍手。さすがに第3楽章と第4楽章は間髪を入れずに続けられました)
今年も第9を聴いていて、日本のオーケストラが何と巧いことか、と思ってしまいます。

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