ウィーン・フィルの第2夜

前日のハイティンク告別コンサートに続いて、ウィーン・フィルの二日目は若手の登場。コロンビア出身のオロスコ=エストラーダが中央ヨーロッパの作品を振りました。

9月4日 ≪Prom 61≫
ドヴォルザーク/交響詩「真昼の魔女」
コルンゴルト/ヴァイオリン協奏曲
     ~休憩~
ドヴォルザーク/交響曲第9番
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 指揮/アンドレス・オロスコ=エストラーダ Andres Orozco-Estrada
 ヴァイオリン/レオニダス・カヴァコス Leonidas Kavakos

この指揮者、最近よく名前を目にするようになりましたが、私は初めてその演奏を聴きました。
伝説的な名教師ハンス・スワロフスキーの弟子だそうで、来シーズンからウィーン交響楽団の首席指揮者に就任。ウィーンではお馴染みの指揮者なのでしょう。初物なのでホームページを探しました。

http://www.orozco-estrada.com/

最初と最後にドヴォルザークが置かれていましたが、冒頭の交響詩、何故か最初のファゴット2本のみの4小節進んだ所で演奏が止まってしまいました。コメンテイターによればホルンが未だ準備できていなかったそうな。客席から苦笑が起こり、仕切り直し。
前日の緊張感から解放されたためでしょうか、ウィーン・フィルならでは(?)のアクシデント、かな。

続いて登場したカヴァコス、全てを水に流すような極上の美音で客席を唸らせます。
カヴァコスのアンコールは、タレルガのアルハンブラの思い出。ルッジェーロ・リッチの編曲版です。

後半は誰でも知っている新世界。個人的な感想では、ウィーン・フィルの新世界は若手指揮者の登竜門という印象。1960年代に彗星のようにデビューしたイシュトヴァン・ケルテスは、ウィーン・フィルとの新世界が録音デビューだったはずで、早速に話題のデッカ盤を買い求めた記憶があります。
更には確か1975年のウィーン・フィル来日公演はカール・ベームの指揮で行われたのですが、このとき同行した無名の指揮者が振ったのが新世界。その後メキメキと腕を挙げた若者が、リッカルド・ムーティですね。

そんなことを思い出しながら聴いたプロムス、アンコールはヨーゼフ・シュトラウスのポルカ「憂いもなく」でした。客席も合いの手で応えるなど、何ともノリの良いロンドンっ子たちであることか。

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