プロムス2019も「ラスト・ナイト」

ロイヤル・アルバート・ホールに「蛍の光」が鳴り渡り、先ほど今年のプロムスも無事に幕を閉じました。目前に迫ったブレクジットもなんのその。

9月14日 ≪Prom 75≫ラスト・ナイト
ダニエル・キデーン Daniel Kidane/Woke(BBC委嘱、世界初演)
ファリャ/バレエ「三角帽子」第2組曲
ローラ・マヴーラ Laura Mvula/Sing to the Moon
エリザベス・マコンキー Elizabeth Maconcy/Proud Thames
エルガー/ため息
ビゼー/歌劇「カルメン」恋は野の鳥
サン=サーンス/歌劇「サムソンとデリラ」あなたの声に我が心は開く
ヴェルディ/歌劇「ドン・カルロス」呪わしき美貌(おお、むごい運命よ)
ヴェルディ/歌劇「アイーダ」凱旋行進曲
     ~休憩~
オッフェンバック/喜歌劇「天国と地獄」序曲
グレインジャー/Marching Song of Democracy
ハロルド・アーレン Harold Arlen/オズの魔法使い~「虹の彼方に」 The Wizard of Oz-‘Somewhere Over the Rainbow
ガーシュウィン/アイ・ガット・リズム
ウッド/英国の海の歌による幻想曲
アーン(サージェント編)/ルール・ブリタニア
エルガー/行進曲「威風堂々」第1番
パリー(エルガー編)/イェルサレム
ブリテン編/英国国歌
作曲者不詳(キャンベル編)/Auld Lang Syne
 BBC交響楽団
 指揮/サカリ・オラモ Sakari Oramo
 メゾ・ソプラノ/ジェイミー・バートン Jamie Barton
 合唱/BBCシンガーズ、BBCシンフォニー・コーラス

プロムスのラスト・ナイトは、ゲストに人気の歌手が登場するのが恒例。ルール・ブリタニアを全員で歌い上げる習慣があるためですが、今年はアメリカのカリスマ・メゾと呼ばれるジェイミー・バートン。プロフィールは、

http://www.jamiebartonmezzo.com/

冒頭で新曲が披露されるのもラスト・ナイトの慣例で、今年は今年33歳になる英国の作曲家キデーンが選ばれています。こんな方↓

https://britishmusiccollection.org.uk/composer/daniel-kidane

新作の初演とファリャに続いては、ポピュラー系シンガー・ソング・ライターのローラ・マヴーラによるア・カペラで歌われる合唱曲。

https://www.sonymusic.co.jp/artist/lauramvula/

続いては、1907年生まれで、1994年に亡くなった英国の女性作曲家、エリザベス・マコンキーのオーケストラ作品。没後25年を記念しての紹介です。私も初めて名前を聞く作曲家で、もちろん作品も初体験。

http://www.musicsalesclassical.com/composer/short-bio/Elizabeth-Maconchy

エルガーの小品は弦とハープ、オルガンのための作品ですが、ホールを揺るがすようなオルガンの超低音が何事かと思わせます。
前半のクライマックスはバートンを迎えてオペラのアリアから3曲。特に最後のエボリ公女のアリアは、ウィーン国立歌劇場のライヴでツィトコーワを聴いたばかりなので、感激も一入。
締めくくりのアイーダは、左右に配置されたトランペットによるマーチだけではなく、前後の大合唱で盛り上がりました。

後半はアニヴァーサリーのオッフェンバックで始まりましたが、カンカンではプロムスの観客は黙っていません。
3曲目で再びバートンが登場し、オズの魔法使いとガーシュウィン。

バートンが一旦退場し、オラモの語りかけ以降は恒例のプロムス・プログラム。そもそもウッドの編曲作品は民謡のメロディーで、年によって歌われるナンバーも変化するようですね。オリジナルにもあるルール・ブリタニアで再びバートンが呼ばれ、高らかな英国讃歌。
でも彼女、最後に取り出して掲げたのは、LGBTの旗ですよね? 何だかなぁ~。
多分年末に放送されるであろうNHKの番組で確認してみてください。

威風堂々の後に長いオラモのスピーチがあり、あとは毎年恒例の行事で今年もお開きに。

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