ウィーン国立歌劇場アーカイヴ(2)
日替わりで配信されているウィーン国立歌劇場のアーカイヴ・シリーズ。同じ演目を別キャスト、異なる指揮者でというケースがいくつもあり、これはこれで大いに楽しめます。
トスカ、シンデレラ、愛の妙薬、フィガロの結婚、そして今回紹介するファルスタッフが聴き比べの醍醐味でしょうか。
3月17日(日本時間)に配信されたものは2019年1月30日の講演。そして今日(20日)限定の配信は2016年12月15日の公演だそうです。
演出と舞台関係は全く同じで、
演出/デヴィット・マクヴィカー David McVicar
舞台装置/チャールズ・エドワーズ Charles Edwards
衣装/ガブリエレ・ダルトン Gabrielle Dalton
照明/パウル・ケーガン Paul Keogan
というもの。
このプロダクションは、今年3月にダニエル・ハーディング指揮で公演される予定(コロナ禍のため中止)でしたし、6月にはメータの指揮で再演される予定にもなっています。ウィルスが終息すれば6月30日の公演が有料配信されることになっていますので、その時に改めてレポートしようかな、と考えているところ。
これまで放映された2公演は、2019年1月30日のキャストが
ファルスタッフ/カルロス・アルヴァレス Carlos Alvarez
フォード/サイモン・キーンリーサイド Simon Keenlyside
フェントン/シャホウ・ジンシュ Jinxu Xiahou
バルドルフォ/ヘルヴィッヒ・ペコラーロ Herwig Pecoraro
ピストラ/ライアン・スピード・グリーン Ryan Speedo Green
カイウス博士/ミヒャエル・ローレンツ Michael Laurenz
アリス・フォード/オルガ・べズメルトナ Olga Bezmertna
ナンネッタ/ヒラ・ファヒマ Hila Fahima
クイックリー夫人/モニカ・ボヒネック Monika Bohinec
メグ/マーガレット・プランマー Margaret Plummer
指揮/ジェームス・コンロン James Conlon
というもので、2016年12月15日のキャストは
ファルスタッフ/アンブロージオ・マエストリ Ambrosio Maestri
フォード/ルドヴィック・テジエ Ludovic Tezier
フェントン/パオロ・ファナーレ Paolo Fanale
バルドルフォ/ヘルヴィッヒ・ペコラーロ Herwig Pecoraro
ピストラ/リッカルド・ファッシ Ricardo Fassi
カイウス博士/トーマス・エベンシュタイン Thomas Ebenstein
アリス・フォード/カルメン・ジャンナタッシオ Carmen Giannattasio
ナンネッタ/ヒラ・ファヒマ Hila Fahima
クイックリー夫人/マリー=ニコール・ルミュー Marie-Nicole Lemieux
メグ/リリー・イェルスタード Lilly Jorstad
指揮/ズービン・メータ Zubin Mehta
でした。
デヴィット・マクヴィカーのリアリスティックな舞台、 洗濯籠が最後でファルスタッフを釣り上げて幕となる洒落た演出が楽しいファルスタッフです。休憩は第2幕と第3幕の間、9重唱がアンサンブルの極致。ナンネッタとバルドルフォが両者に共通していたキャストです。
ウィーンのファルスタッフと言えば、カラヤンやバーンスタインの名演が伝説になっている演目ですが、2020年の現在でも大人気の傑作であることが証明される映像と言えるでしょう。
ところでメータが指揮した日の公演では、カーテンコールの最後にメータが花束を持って登場し、客席に短くスピーチしてファルスタッフのマエストリに花束を贈呈していました。受け取った花束をマエストリが客席に投げ入れると、観客の一人が見事にキャッチ。メータの挨拶は良く聞き取れませんでしたが、マエストリのスターツオパー登場200回?記念だったんでしょうか。
こうしたレアなシーンが見られるのも、不幸中の幸い、かな。
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