ウィーン国立歌劇場アーカイヴ(7)

ドニゼッティの「愛の妙薬」に文句を言う人はいないでしょう。ウィーン国立歌劇場のアーカイヴでは、3月25日と4月1日(何れも日本時間)の二度に亘って2組の公演が配信されました。
ウィーンでは長く愛されてきた故オットー・シェンク Otto Schenk のほのぼのとした演出と、ユルゲン・ローズ Jurgen Rose の音楽を些かも邪魔しない舞台に今旬の名歌手が揃うのですから、素直にオペラの醍醐味を満喫しました。

指揮も配役も全て入れ替えで、先に放映されたのは2017年2月26日の公演、そして今日見ることが出来るのが2018年11月8日の公演です。配役と指揮は、

2017年2月26日
アディーナ/オルガ・ペレチャッコ Olga Peretyatko
ネモリーノ/ドミトリー・コルチャック Dmitry Korchak
ベルコーレ/アレッシオ・アルドゥイニ Alessio Arduini
ドゥルカマラ/アダム・プラチェツカ Adam Plachetka
ジャンネッタ/イレアナ・トンカ Ileana Tonca
指揮/マルコ・アルミリアート Marco Armiliato

2018年11月8日
アディーナ/アイーダ・ガリフッリーナ Aida Garifullina
ネモリーノ/ベンジャミン・ベルンハイム Benjamin Bernheim
ベルコーレ/オルハン・イルディズ Orhan Yildiz
ドゥルカマラ/パオロ・ルメッツ Paolo Rumetz
ジャンネッタ/マリアム・バッティステリ Mariam Battistelli
指揮/スペランツァ・スカプッチ Speranza Scappucci

登場人物も5人。その中のジャンネッタは脇役と言ってよく、主演は4人と判り易くなっているのも特徴。特にアディーナとネモリーノのカップルがメインで、これに怪しげなというか、コミカルな薬売りのドゥルカマラの3人こそオペラの華でしょう。歌舞伎で言えば、名役者の顔見世興行のようなもの。

ヴェテランのアルミリアートが振るペレチャッコ/コルチャック/プラチェツカの2017年組と、シンデレラも指揮していた女流スカプッチ率いるガリフッリーナ/ベルンハイム/ルメッツの2018年組。どちらも甲乙付け難く、夫々にチームワークも見事な公演でしたね。
恐らく最も有名な「人知れぬ涙」は、第2幕でネモリーノが歌う「アリア」ということになっていますが、ドニゼッティの表記では「ロマンツァ」です。これが全体の番号では第11曲。「アリア」という名称で歌われるのはその次の第12曲に当たる、アディーナとネモリーノが互いの愛を打ち明ける場面で、アディーナの高音を駆使したコロラトゥーラが最高の聴かせ所と言えるでしょう。ペレチャッコにも、ガリフッリーナにも最大級のブラ~ヴァ!!を捧げましょう。

楽しい幕切れでのプロンプターとのやり取り、もちろん演出の一部です。こんな愛の妙薬があるなら、一瓶欲しかったな。

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