ウィーン国立歌劇場アーカイヴ(5)

現地では29日、日本時間では30日の早朝からオッタヴァ・テレビで配信されているウィーン国立歌劇場のアーカイヴ・シリーズは、やや珍しい演目となるグノーの歌劇「ロメオとジュリエット」でした。2017年2月1日に行われた公演の記録です。最初にキャストから・・・。

グノー/歌劇「ロメオとジュリエット」 2017年2月1日公演
ジュリエット/アイーダ・ガリフッリーナ Aida Garifullina
ロメオ/フアン・ディエゴ・フローレス Juan Diego Florez
ロラン神父/ダン・パウル・ドゥミトレスク Dan Paul Dumitrescu
メルキュシオ/ガブリエル・ベルムデツ Gabriel Bermudez
キャピュレット卿/ヴォルフガング・バンクル Wofgang Bankl
ティボルト/カルロス・オスナ Carlos Osuna
ステファノ/レーチェル・フレンケル Rachel Frenkel
ジェルトリュード/ロージー・アルドリッジ Rosie Aldridge
グレゴリオ/アイク・マルティロッシアン Ayk Martirossian
パリス/イゴール・オニシュチェンコ Igor Onishchenko
ベンヴォーリオ/マーチン・ミュラー Martin Muller
ヴェローナ大公/アレクサンドルー・モイシウク Alexandru Moisiuc
指揮/プラシド・ドミンゴ Placido Domingo
演出/ユルゲン・フリム Jurgen Flimm
舞台及び照明技術/パトリック・ウッドロフ Patrick Woodroffe
衣装/ブリジット・ハッター Brigit Hutter
動作指導/レナート・ザネラ Renato Zanella

正直に申し上げて、このオペラは殆ど知りません。もちろん全曲の舞台公演を見るのは今回が初めてですし、録音でも全曲通して聴いたことは無かったと思います。第1幕が始まって直ぐ、ジュリエットが歌う有名なアリア「私は夢に生きたい」だけは知っていますがね。
ということで何の語る資格もありませんが、一通り見た印象だけを書いておきましょう。

グノーのオペラと言えば先ず「ファウスト」で、次に有名なのが「ロメオとジュリエット」。もちろんロミ・ジュリはシェイクスピアの名作で、ストーリーは解っている積り。残念ながら今回の配信では日本語字幕が無く、細かい歌詞までは判りません。それでも漠然と見ていても何が歌われ、何処が演じられているかは理解できました。変に英語字幕を出すより、off にして見た方が良いかも。
舞台は原作の14世紀ヴェローナではなく、現代に置き換えられているのがフリム演出で、これはまぁ、現代版ロミ・ジュリであるウエストサイド・ストーリーもあるので気になりません。

ところでグノーの歌劇「ロメオとジュリエット」は1867年にパリのテアトル・リリークで初演され、1888年にパリ・オペラ座で上演された時に改訂されたと、物の資料には記してあります。
今回ドミンゴ指揮で上演された舞台は、どうも1867年初演版ではないか、と思われます。何故なら資料では改訂に際して第4幕にバレエが加えられたとありますが、今回の舞台ではバレエは一切出てきません。また1888年の改訂版スコアがIMSLPで入手できるのですが、特に第4幕は改訂版とはかなり違う演奏になっていました。この辺りは何方か詳しい方にご教示願いたいと思います。

登場人物が大変に多いオペラですが、一言で言えばロメオとジュリエットの二人舞台。この二人に嵌り役がいなければ成功しないと言っても良く、その意味で2017年のウィーン上演は大成功でしたね。
全5幕、2時間半強。休憩は第2幕と第3幕の間に一度だけ。ガリフッリーナとフローレスの絡みを見ている、聴いているだけであっという間に見終わってしまいました。

神が二物を与えた典型の二人、どうして世の中はこうも不公平なのかと思ってしまいます。これに絶大な人気を誇るドミンゴ爺さんの指揮ですから、客席が盛り上がらないわけはありません。
カーテン・コール、一体何回繰り返されたのでしょうか。投げ入れられた花束へのフローレスとガリフッリーナのリアクションが楽しかった。

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