秋山和慶の「田園」&「運命」(オンライン)
7月最後のフェスタサマーミューザは、秋山和慶指揮東京交響楽団によるベートーヴェンの王道プログラム、田園と運命の2本立てでした。
事前に行われたマエストロと音楽評論家・奥田佳道氏とのプレトークによれば、今年のフェスタで開催されるベートーヴェン生誕250年記念のコンサートでは「最も美味しいプログラム」ということです。
ベートーヴェン/交響曲第6番
~休憩~
ベートーヴェン/交響曲第5番
管弦楽/東京交響楽団
指揮/秋山和慶
コンサートマスター/グレブ・ニキティン
そのプレトーク、やはり昔話から入りましたね。私がクラシック音楽を聴き始めた頃は、当然ながら指揮者は全て自分より年上でした。それから半世紀以上、今年のフェストで自分より年配の指揮者は秋山和慶氏と、東京シティ・フィルを振る飯森泰次郎氏の二人だけになってしまいました。
トークではマエストロのデビューは1962年、同じ東京交響楽団を指揮してだったそうですが、私がこの世界に興味を持ち始めた頃は東響があの事件によって最も厳しかった時代。当時はバリバリの若手だった秋山氏が東響の監督を任され、1年振りに再開されたシーズンの定期演奏会は全て氏の指揮だったことを思い出します。あの頃は指揮者本人が最も若僧だったのでしょうが、今や楽員は全員が年下の世代。
そんなことも考えながら聴いたベートーヴェンの名曲2題。年輪の重みと言うべきか、安心して聴いていられる昔ながらのベートーヴェンだったのは間違いないでしょう。2曲のみ、休憩が入って1時間50分の演奏会という記録が、演奏の全てを物語っているのじゃないでしょうか。
ミューザ川崎がフランチャイズの東響、客席の多くが熱心なファンと見えて、メンバーが順次登場しても拍手は無く、全てが日常の川崎定期と言った雰囲気。オープニングでも気が付きましたが、東響は管楽器奏者以外は全員がマスク着用で、しかもお揃いのデザインのようです。コロナ以前と変わらず弦楽器は二人で1台の譜面台を使い、奏者間の距離もそれほど広くは空けていない様子。だから全員マスクなのでしょうかね。
バックステージの様子も特に変わったところは見られません。淡々と進行しているようでしたが、演奏後、前半も後半もマエストロが舞台裏で年下の楽員たち全員を最後の一人まで出迎えていたのが印象的。秋山氏の人柄が良く拝見できたコンサートでした。
ところでプレトークでは明日群馬交響楽団がベートーヴェンの第2と第4を演奏すると紹介されていましたが、明日のミューザはお休み。
群響は8月1日に登場しますが、私はこの日サントリーホールでナマの演奏会を聴く予定になっています。従って群響レポートはアーカイヴ配信を聴いてからとなり、もしかするとその次の東フィルの感想の方が先になるかも知れません。もちろんサントリーのナマ音も感想をアップする積りでいます。
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