コンセルトヘボウ、2つのコンサート(オンライン)

日にちは前後しますが、コンセルトヘボウの演奏会がライブ配信されていましたので、紹介しておきましょう。同オーケストラの公式ウェブ・サイトで未だ数日間は視聴できるはず。メニューから「ヴィデオ」を選択してください。
演奏会は立て続けに開催されたもので、通常なら一つのプログラムに納まる選曲。今は演奏会が短めに設定されているため、二つに分割したような内容になっています。

9月25日
ジミー・ロペス Jimmy Lopez/The Travails of Persiles and Sigismunda:Book Ⅳ(交響曲第1番)
シベリウス/交響曲第1番
 指揮/クラウス・マケラ Klaus Makela

9月27日
ジミー・ロペス Jimmy Lopez/The Travails of Persiles and Sigismunda:Book Ⅳ(交響曲第1番)
ウンスク・チン Unsuk Chin/subito con forza (世界初演)
チャイコフスキー/ピアノ協奏曲第1番
 指揮/クラウス・マケラ Klaus Makela
 ピアノ/ベアトリチェ・ラナ Beatrice Rana

何れもフィンランドの指揮者マケラの指揮。イケメンが目立つ若手で、チェロ奏者でもあります。1996年生まれといいますから未だ24才。10代の頃から指揮者としても活動を開始していて、2018年にサントリーホールで都響を指揮、シベリウス作品で日本デビューしていますから聴かれた方もおられるでしょう。今年からオスロ・フィルの首席指揮者及びアーティスティック・アドバイザーを務めている注目株ですね。
以前の映像や写真を見ると眼鏡を掛けていますが、今回のコンセルトヘボウでは眼鏡無し。そのハンサム度が一層際立っています。

2つの番組のメンバー紹介は、共に首席トランぺと奏者のミロスラフ・ペトコフ Miroslav Petkov 。演奏会でも共通しているのが、冒頭に演奏される現代作品で、ペルーの作曲家ロペスの交響曲からの一楽章のようです。詳しいことは判りません。
また27日に2曲目で演奏されたのは、コンセルトヘボウの委嘱作でこれが世界初演。ベートーヴェン生誕250年に因んで書かれたもので、「タタタター」というリズムが登場する5分ほどの短い作品でした。

二日目のメインで演奏されたチャイコフスキーの名曲は、本来はロシアのアレクサンドル・ガヴリリュク Alexander Gavrylyuk が弾く筈でした。直前になってガヴリリュクが手の靭帯の炎症のためにキャンセル、ピンチヒッターとしてイタリアのピアニスト、ラナに交替しています。
ガヴリリュクは日本にもファンが多く(ファンの間ではガヴちゃんと呼ばれているとか)、期待していた方はガッカリでしょうし、何より心配でしょう。

代演したラナは、私は2017年のプロムスでシューマンの協奏曲を弾くのを聴いて、何時か聴きたいと思っていたイタリアの新星。日本ではラ・フォル・オ・ジュルネに登場してバッハのゴールドベルク変奏曲を弾いたり、N響の定期でベートーヴェンの第1協奏曲を共演していますから、ファンも多いことと思われます。
彼女が有名になったのは、東京でも弾いたゴールドベルク変奏曲とチャイコフスキーのピアノ協奏曲で、私もゴールドベルクの録音は入手して愛聴しているほど。今回はもう一つのチャイコフスキーが聴けたので、コンセルトヘボウの配信に感謝しているところです。

黄色のドレスで登場したラナ、演奏後の大拍手に応えてアンコールを1曲披露しました。ピアノのレパートリーに疎いので曲目が判りませんが、リストでしょうかショパンでしょうか。御存知の方がおられましたら、是非ご教示ください。
ところでコンセルトヘボウのライブは先ずユーチューブで配信されますが、サーバーの関係か不具合になることが多いようです。同時にコンセルトヘボウのホームページでも中継されていますが、こちらは質を落として配信しているため画像も音質も今一。結局、ナマ配信から一日程度間を空けてアーカイヴ配信を聴くのがベストのようですね。今回は私も両日ともアーカイヴで楽しみました。

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