ウィーン国立歌劇場公演「トスカ」(無観客オンライン)
11月3日に第2次ロックダウンに入って以来閉鎖されているウィーン国立歌劇場ですが、この間は前回同様無料のアーカイブ配信で自粛中のファンを楽しませてくれていました。
ところが私も最近知ったのですが、12月に入って実際に舞台上でオペラを無観客で上演し、その模様をオンラインで配信するという試みが行われることになったようです。有難いことに視聴は無料、今まで通りウィーン国立歌劇場の公式ウェブサイトから見ることが出来ます。
取り敢えず3つの演目が上演されるようで、マスネの「ウェルテル」、プッチーニの「トスカ」、へンツェの「裏切られた海」が発表されています。この内最初のもの、ウェルテルは12月9日に行われたようですが、配信はオーストリー国内限定ということで、残念ながら日本では見ることが出来ません。ウェルテル役はピョートル・べチャワだったそうですね。
しかしながら第2弾となるトスカは世界中に配信されるとのことで、私も半信半疑でウィーンにオンライン接続して見ました。そして今、トスカを見終わったところです。
予告通り客席に聴衆は無く(関係者が数名いたようですが)、指揮者も拍手に迎えられることなく登場しました。第1幕と第2幕、第2幕と第3幕との間に夫々20分ほどの休憩がありましたが、もし事前に上演したものを録画して配信するなら休憩は編集でカットされるでしょう。休憩時間もそのまま配信されていたので、実際にライブで上演されていたことが判ります。もちろんカーテンコールはありません。
日本では14日の早朝3時頃から始まっていたようですから、現地時間では13日(日)の夜に行われた公演であろうと思われます。キャスト等は以下の通りでした。
トスカ/アンナ・ネトレプコ Anna Netrebko
カヴァラドッシ/ユシフ・アイヴァゾフ Yusif Eyvazov
スカルピア/ヴォルフガング・コッホ Wolfgang Koch
アンジェロッティ/エフゲニー・ソロドフニコフ Evgeny Solodovnikov
堂守/ヴォルフガング・バンクル Wolfgang Bankl
スポレッタ/アンドレア・ジョヴァンニー二 Andrea Giovannini
シャルローネ/アッティラ・モクス Attila Mokus
看守/イリヤ・カザコフ Ilya Kazakov
指揮/ベルトラン・ド・ビリー Bertrand de Billy
演出/マルガレーテ・ヴァルマン Margarete Wallmann
舞台/ニコラ・ブノワ Nicola Benois
演出と舞台は、これまでウィーンで上演されてきたものと全く同じ。去年のライブ配信や今年のアーカイブ配信で何度も見たお馴染みの舞台で、その意味では新鮮味はありませんでした。当欄でも何度も紹介しましたから、この点には触れません。
今回の上演の目玉は、何と言ってもネトレプコのトスカ。実生活でも夫婦であるアイヴァゾフのカヴァラドッシとあって、大きな話題になっていますね。このコンビは来年のザルツブルク音楽祭でも歌うことになっていますから、事態が好転すれば実際にザルツブルクの舞台を見ることが出来るかもしれません。ファンの皆様、期待して待っていてくださいな。待ち切れない方は、今からウィーン国立歌劇場に会員登録してください。但し視聴できるのは24時間、明日の早朝までですよ。
ネトレプコはオーストリアの市民権を取り、今はウィーン在住とのことですから、今回のトスカも実現したのでしょう。彼女がウィーンでトスカを歌うのは初めてだそうですし、これまでトスカをレパートリーに入れていたということも聞いていませんでしたから、殆どのファンにとって初トスカ。なるほど歌も演技もネトレプコ、と感心しました。旦那との息もピッタリです。それ以上は配信をご覧ください。
字幕はいつものように日本語も選ぶことが出来、第1幕は問題なく見ることが出来ましたが、第2幕は「愛に生き、恋に生き」以降しか字幕が出ません。第3幕も同じで、字幕が表示されるのは「星は光りぬ」以降です。でもトスカですから、字幕が無くても問題ない方が殆どでしょう。第2幕で字幕が出ないぞ、と焦らないように。待っていれば何れ出てきます。
私のシステムでは途中で何度か×印が出て配信が止まってしまうことがありましたが、皆さんは如何でしたか? この際は一度回線を切り、再度繋いで切れた所まで飛ばして見ることで何とか解決しました。ウィーン国立歌劇場の配信は不安定なのが欠陥ですね。
ということで、明日は「裏切られた海」が予定されています。三島由紀夫原作のオペラですから荒筋は知っていますが、字幕に不備がないか心配。それより実際に配信されるのか、まぁ、期待して待つことにしましょう。
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