ウィーン国立歌劇場公演「こうもり」(無観客オンライン)

2021年が開けましたが、去年に続いて小欄の音楽聴き初めはヨハン・シュトラウスの喜歌劇「こうもり」でした。現地ウィーンで大晦日の夜に無観客で上演されたウィーン国立歌劇場からのライブストリーミングです。

アイゼンシュタイン/ゲオルグ・ニグル Georg Nigl
ロザリンデ/カミラ・ニールンド Camilla Nylund
フランク/ヨッヘン・シュメッケンベッヒャー Jochen Schmeckenbecher
オルロフスキー侯爵/オッカ・フォン・デア・ダムラウ Okka von der Damerau
アルフレード/ミヒャエル・ローレンツ Michael Laurenz
ファルケ博士/マーティン・へスラー Martin Haessler
アデーレ/レギュラ・ミューレマン Regula Muhlemann
フロッシュ/ペーター・シモニスチェク Peter Simonischek
ブリント博士/ロバート・バートネック Robert Bartneck
イーダ/イレアナ・トンカ Ileana Tonca
イワン/ヤロスラフ・ペハル Jaroslav Pehal
指揮/コルネリウス・マイスター Cornelius Meister
演出/オットー・シェンク Otto Schenk
舞台美術/ギュンター・シュナイダー=ジームセン Gunther Schneider-Siemssen
衣装/ミレーナ・カノネロ Milena Canonero
バレエ(雷鳴と電光)振付/ゲルリンデ・ディル Gerlinde Dill

去年と全く同じ体験でしたが、違っていたのは客席に聴衆がいないこと。それでもオットー・シェンクの名舞台を新しいキャストで楽しみました。去年と同じキャストだったのはフランクのシュメッケンベッヒャーと、フロッシュを演ずる名優シモニスチェクだけ。今年は特別ゲストの登場はありませんでした。
指揮は、この間まで読響の正指揮者を務めていたマイスター。久し振りに見たマエストロが髭面だったのはビックリしましたね。

無観客を逆手に取ってのカメラワークでしょうか、これまで見てきたスターツオパーの映像より舞台が遥かに広角で映し出されており、ライブストリーミングも日々進化していることが伺えます。
新年のウィーンと言えばニューイヤー・コンサート。日本ではNHKのテレビで見るというのがこれまでの習慣でしたが、時差が生み出した絶妙な天の差配もあって、これからはウィーンの「こうもり」大晦日公演をネットで楽しむという時代に移っていくような気がしてなりません。

たまたま去年は「こうもり」に関する深く掘り下げた講義を受けたこともあり、第1幕でアルフレードが歌う酒の歌が、これほど意味深く聴かれたこともありませんでした。
各幕の間には実際の公演と同時の休憩があり、配信では出演者へのインタヴューを楽しむことが出来ます。もちろん客席の拍手はありませんが、終演後はオーケストラの団員たちから大きな拍手が起こり、キャストを代表してフロッシュが新年の挨拶。まるで日本向けの放送のようにも感じられました。

今日の夜は無観客でのニューイヤーコンサートもありますし、「こうもり」は明日も過去の公演から別キャストによるアーカイブ配信が予定されています。やはり新年はウィーンから、ということでいつも通りのお正月となりそうですね。

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