今日の1枚(63)

東京はこのところ天気が悪く、何日も太陽が顔を出していません。寒いには違いないのですが、風も以前のように突き刺すような冷たさではなく、30分も歩けば心地良く感じられ程になってきています。
さて今日も2枚組みCDで、バッハ。明日と2回に分けて紹介します。ユニバーサル・クラシックのベイヌム・シリーズの最終回、UCCP-3340/1(479 9514) の1枚目は、
①ヨハン・セバスティアン・バッハ/管弦楽組曲第1番ハ長調BWV1066
②ヨハン・セバスティアン・バッハ/管弦楽組曲第2番ロ短調BWV1067
③ヨハン・セバスティアン・バッハ/管弦楽組曲第3番二長調BWV1068
録音データは、
①②1955年5月31日~6月2日、2番のフルート・ソロは、コンセルトへボウの首席フルーティストであるフーベルト・バルワーザー Hubert Barwahser 。
③1956年4月3日
いずれもアムステルダムのコンセルトへボウでの収録。モノラル録音です。
バッハの管弦楽組曲、本来は「序曲」 Ouverture というタイトルですね。
フィリップスは最初からベイヌムとコンセルトへボウ管弦楽団による全曲録音を計画していたようで、まず1955年5月に1番と2番を、翌年4月に3番と4番を収録しています。
同じ傾向なのでまとめると、繰り返しについては序曲が前半も後半も省略しているのに対し、舞曲楽章は全て繰り返しを実行。
ただし例外が一つ。第1番の第2曲「クーラント」のみ、後半の繰り返しを省略しています。
モーツァルト作品の録音と同様、楽章一つ一つ区切って収録するのではなく、1曲を通して演奏しているようです。
演奏は先のヘンデルと同じことが言え、古風なバッハ演奏とは一線を隔しているものの、もちろん現代の古楽系のものではありません。
有名な2番。ポロネーズは2小節目をピアノに落とす演奏が多いようですが、ベイヌムは音量を落とさずに続けています。
また最後のバディヌリは、一般的な演奏に比べるとテンポをゆったり採っているのが特徴でしょう。
録音はフィリップスの平均的水準。
なお、ベイヌムのバッハには、第3番の全曲と第2番のポロネーズとバディヌリに旧録音が存在します。コンセルトへボウとの録音。
恐らく1950年頃の録音で、SP3枚組み6面に収録されていました。不思議なことに初出はフィリップスのSP!! で、A 1097/9 という品番。同じものがデッカからも X 10259/61 として出ていました。
この辺りの事情は想像するしかありませんが、契約等の関係が絡んでいるのでしょう。
(イタリア、オーストリア、ドイツなどでは「フィリップス」ということで出ていたようですが、イギリスでは「デッカ」)
バッハ旧録音がCD化されているかについては不明。第2の2曲のソロについてもクレジットされていません。
参照楽譜
①②③ペータース Nr.578(4曲合本)

 

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