今日の1枚(52)

一日休みましたが、ベイヌムを聴き続けます。今日は奇妙な1枚を取り上げましょう。デッカのロゴでユニヴァーサル・ミュージックから発売されているものの、全てフィリップス録音というもの。アムステルダム・コンセルトへボウ管弦楽団との録音です。
UCCD-3525(476 9426) という品番で、
①ラヴェル/ボレロ
②ラヴェル/ラ・ヴァルス
③ドビュッシー/管弦楽のための映像
①は1958年6月30日のステレオ録音
②が1958年9月26日のやはりステレオ録音
③は1954年5月24日と25日のモノラル録音です。
会場はアムステルダムという表示のみ。当然ながらコンセルトへボウでの録音でしょう。
何故これがデッカとして販売されているのかは不明。ブックレットの解説(N氏)にも「戦後はイギリス・デッカ(1946-53)とオランダ・フィリップス(1954-57)に録音を残しています」と書かれているように、録音年月日だけ見ても(データを信ずるとして)、明らかにフィリップス録音でしょう。
(私の記憶でも、デッカへのステレオ録音は無かったはず)
①はステレオで、左右の広がりも自然。フィリップスらしい円やかな仕上がりです。
終始小太鼓が使われますが、ラヴェルが2台目を指示しているのは最後の方、練習番号16からですが、ベイヌムはもっと前から2台で叩かせているように聴こえます。
私の耳では確信が持てませんが、恐らく練習番号10、例のトロンボーン・ソロの前から2台目の小太鼓が入ってくるようです。
②は①の3ヶ月後の録音。現在では古さも感じますが、当時のステレオとしては優秀録音の部類。自然なバランスが好ましい一品です。
③はライヴ・セットにも収録されていた作品。ライヴ演奏と同様に、「ジーグ」→「春のロンド」→「イベリア」の順に収録されています。
正規のスタジオ録音だけあって、モノラル録音ながら細部も明瞭、ニュアンスも豊かに収録されています。
演奏も未だ同曲のトップ・クラスに評価されているもの。レコード録音のクラシックと言えるでしょう。
参照楽譜
①デュラン D&F11839
②デュラン D&F10080
③「ジーグ」 デュラン D&F8723
③「春のロンド」 デュラン D&F7722
③「イベリア」 デュラン D&F7723

 

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