日本フィル・東京定期2009年3月のポイント
日本フィルの2月は恒例の九州公演。今年はホームページ上のレポートはありませんでしたが、無事に終了したようです。確か産経新聞で九州公演の意義などがレポートされておりました。
さて3月定期は月が改まって直ぐ、目前に迫っていますので、恒例のデータから見た聴きどころトピックを立てておきます。何か気付かれたことがありましたら、どんどんコメントいただければ幸いです。
今回は何と言っても初登場のマエストロを迎える、という点が聴きどころだと思います。イギリスの若手指揮者、ジョセフ・ヴォルフ Joseph Wolfe さん。
経歴等の詳しい情報については、演奏会が終了した時点で「客演指揮者のプロフィール」で扱う予定です。ここでは簡単に。
今回のマエストロ、実は高名なイギリスの巨匠、サー・コーリン・デーヴィスの息子さんなのだそうですね。ヴォルフはいわゆる芸名。その辺りの逸話等は、間もなく開催されるマエストロサロンで明かされるのではないでしょうか。
若手と言っても音楽的なキャリアは既に十分積まれているようで、ヴァイオリニストとして二つの弦楽四重奏団を率いてきたそうですし、オーケストラでの経験も豊か、アンサンブルは得意のジャンルと言えそうです。
余談ながら、ヴァイオリンの他にもマンドリンを嗜まれるという噂。確かめてみたい方は是非サロンに。
3月は①ベートーヴェン/ヴァイオリン協奏曲 ②エルガー/交響曲第1番 という大作の二本立てです。
ベートーヴェンについては既にポイント・シリーズで取り上げていますので、今回は省略。
そのヴァイオリン協奏曲が日本フィルの定期で取り上げられるのは、今回が6回目に相当します。これまでの5回の記録を列記すると、
1.第94回(1965年) 潮田益子/渡邊暁雄
2.第184回(1969年) 海野義雄/斎藤秀雄
3.第283回(1976年) 江藤俊哉/カルロ・ゼッキ
4.第369回(1985年) 加藤知子/高関健
5.第543回(2002年) モーリス・ハッソン/藤岡幸夫
私は最初の潮田氏の演奏を懐かしく思い出します。これは私にとって日本フィル定期初体験だったからなのですが、皆様は如何ですか。
今回は渡辺玲子さんの登場です。渡辺玲子の日本フィル東京定期での記録は、
1.第457回(1994年) ドヴォルザーク/ヴァイオリン協奏曲 イルジー・ビエロフラーヴェク
2.第480回(1996年) ラロ/スペイン交響曲 広上淳一
3.第540回(2002年) ブルッフ/スコットランド幻想曲 ジェームス・ロッホラン
今回が4度目の登場ですが、定期以外でも何度も登場している名手。確か九州ツアーにも同行され、大好きなラーメン店巡りをしたという噂もチラホラ。今回はヴァイオリン協奏曲の王道とも言うべきベートーヴェンが聴けるのが大変楽しみですね。
後半はエルガー。
日本フィルの東京定期では、エルガー作品はこれまで8曲が取り上げられてきました。交響曲が2曲、ヴァイオリン協奏曲とチェロ協奏曲、有名な「エニグマ」変奏曲、「ロンドンの下町」序曲、序奏とアレグロ、それに珍しい弦楽のためのセレナード。
複数回取り上げられた作品はチェロ協奏曲の5回がダントツで、以下「エニグマ」変奏曲の3回、第1交響曲の2回と続きます。あとは全て1回だけ。
合計すると、エルガー作品は8曲、15回の演奏機会、ということになります。
従って今回の第1交響曲は、3回目の登場になります。これまでの2回とは、
1.第324回(1980年) ジェームス・ロッホラン
2.第537回(2002年) 尾高忠明
実はロッホラン指揮、1980年6月30日・東京文化会館での演奏は、この作品の日本初演だったのですね。これについてはロッホランのプロフィールにも書きましたので、そちらもご覧下さい。
3月定期に関しては、既に日本フィルのポッドキャストで話題になっています。
今回は間もなく定年退職を迎えられるお二人、ヴィオラの山下進三氏とファゴットの小山清氏が登場。日本フィルへの想いや思い出などを語っておられます。
是非一聴されることをお勧めしておきます。
http://
最近のコメント