今日の1枚(72)

今朝は枯れ枝を集めているカラスを何羽も見ました。ということは巣作りが近いわけで、子育て中は襲われる危険があります。
巣の近くは散歩コースから外さなればいけません。
東芝EMIのフルトヴェングラー全集、今日は TOCE-3724 です。
①ベートーヴェン/交響曲第7番イ長調作品92
②ベートーヴェン/「コリオラン」序曲作品62
オリジナル・カバーの一品、いずれもウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるモノラル、正規スタジオ録音をカップリングしたものです。
①1950年1月18・19日 ウィーンのムジークフェラインザール
②1947年11月25日 同じくウィーンのムジークフェライン
①のプロデューサーは Walter Legge 、エンジニアが Anthony Griffith 、②はどちらも不明だそうです。
①は1950年ですから、第1・3・4・5・6番に比較すると数年古いもので、質的にはやや落ちます。本来はSP録音で、HMVから初出したときは DB 21106/10 という5枚10面でした。本盤は、これを更にLP化したものからCD化されているようです。
鑑賞にはギリギリ堪える程度ですが、演奏が大変に熱気があるもので、スタジオ録音とライヴの良さを兼ね備えた名盤だと思います。
第1楽章の繰り返しは省略、第3楽章は主部の最初のみ実行して後は省略。第4楽章には繰り返しがたくさんありますが、細かい繰り返しは全て実行し、提示部の反復のみ省略しています。当時の一般的な処置でしょう。
第1楽章展開部、215小節の2拍目にティンパニを追加していますが、ここは楽譜によってティンパニがあるものと無いものがあり、一概に加筆とは言えないようです。
(新しいベーレンライターはティンパニあり、私の所有しているユニヴァーサル版は無し)
珍しく第4楽章の中程に女性?の声が混入していますが、解説(平林直哉)によれば、LP原盤作製の際に生じたもので、現在の技術でも除去は不可能の由。
第4楽章は7分ほど掛かり、混入箇所は3分半辺りですから、明らかにオリジナルSPの繋ぎの際に誤って録音されたのでしょう。
それならばオリジナルSP盤からCD化すれば問題ないように思うのですがね・・・。素人考えなのでしょうか。
ところでフルトヴェングラー/ウィーンは第7と同時期に第4も録音しています(こちらは1950年1月25日から31日まで)。第4は後に再録音していて、それは既に取り上げました。
もしフルトヴェングラーがもう少し長生きしてくれれば、この第7も再録音されたに違いありません。
②は①より更に古く、録音水準としては厳しいものがあります。これもSPがオリジナルで、HMVの DB 6625 、1枚2面でした。
ここでもティンパニに変更を加えていて、スコアに無い第154小節に一撃。更に264~269小節をトレモロによる長いクレッシェンドに変更しているのが注目されます。
参照楽譜
①ユニヴァーサル(フィルハーモニア) No.11
②オイレンブルク No.626

 

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