今日の1枚(79)
今日は彼岸の入り。天気も良さそうだし平日でもあり、墓参に成田まで行って来ました。ところがご先祖様は機嫌が悪いようで、現地では俄に掻き曇って雨がパラつく始末。早々に引き揚げましたが、途中は何のことはない快晴。よほど日頃の行いが悪いようですな。
で、昨日はミサ、今日はお彼岸。偶然ながらパルジファルを聴きましたね。
①ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲
②ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第3幕前奏曲
③ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」徒弟たちの踊り
④ワーグナー/楽劇「パルジファル」第1幕前奏曲
⑤ワーグナー/楽劇「パルジファル」聖金曜日の不思議
フルトヴェングラー大全集からワーグナーの第3集、東芝EMIの TOCE-3754 です。
オーケストラはマイスタージンガーがウィーン・フィル、パルジファルがベルリン・フィルで、全て正規スタジオ録音。録音データは、
①1949年4月1日と4日 ウィーン、ムジークフェラインザール
②1950年2月1日 ウィーン、ムジークフェラインザール
③1949年4月4日 ウィーン、ムジークフェラインザール
④⑤ 1938年3月15日 ベルリン、とだけ。
昨日取り上げた第1集に比べると録音は古いもの。年代相応の音がします。
パルジファルは戦前の録音で、当然ながら初出はSP。HMVの DB 3446/8 の3枚6面に収められていました。前奏曲と聖金曜日が1枚半づつの組み物。
①と③は戦後の録音ですが、やはりSP。HMVの DB 6942/3 の2枚組みで、前奏曲が3面、徒弟が残り1面に収録されていたものです。
調べが付かなかったのは②で、年代からしてSPには違いないと思われますが、WERMには記録が無いようです。
ワーグナーの管弦楽曲については昨日詳しく書きました。それに倣うと、
①はコンサート用の終結による演奏。それも版によって若干の異同がありますが、フルトヴェングラーが採用しているのはオイレンブルク版(誰のアレンジかは不明)と同じもの。
②は第1場に入って直ぐの弦楽合奏の箇所で切っています。スコアのページ数で言うと、全曲版第2分冊9ページの3小節目まで。コントラバスのピチカートは省略し、他の弦の和音を引き伸ばして終止形にしています。
③は同分冊402ページの頭から417ページの5小節目まで続けて演奏。もちろんこの間の合唱やダーヴィドの歌は省略。
④もコンサート用終結部による演奏。冒頭の静かな場面で靴音、又は工事の音と思われるノイズが聞こえるのが興醒めです。(トンカチの音みたい!)
1938年と言えば戦前、ナチス・ドイツの治世下だったはずで、神聖なるパルジファルで何事か・・・、という仕儀にならなかったんでしょうか。録音場所もクレジットされていません。
⑤は④と同じ日のテイクですが、こちらにはノイズ等のトラブルはありません。これも演奏会用の演奏譜を使用。全曲版とは全く異なる譜面です。
参照楽譜
①オイレンブルク No.665
②③オイレンブルク No.906(楽劇全曲版・第2分冊)
④オイレンブルク No.666
⑤オイレンブルク No.812
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