今日の1枚(85)
今朝は強烈に冷え込みました。散歩をしていると、一瞬ですが雪が舞ったほどです。地球は温暖化ではなく寒冷化に向かうという情報もあって、もしかすると、と考えてしまいました。
フルトヴェングラー、今日はリヒャルト・シュトラウスの1枚です。TOCE-3803 。
①R.シュトラウス/交響詩「ドン・ファン」作品20
②R.シュトラウス/交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28
③R.シュトラウス/交響詩「死と変容」作品24
いずれもウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による正規スタジオ録音。
①1954年3月2・3日 ウィーン、ムジークフェラインザール
②1954年3月3日 ウィーン、ムジークフェラインザール
③1950年1月21・23・24日 ウィーン、ムジークフェラインザール
①と②は同時期の録音で、フルトヴェングラー最晩年のもの。当時のハイファイ録音で、巨匠が残した最優秀録音。
ウェーバーの時に紹介したように、初出はHMVのLP。ウェーバーの2曲(魔弾の射手とオイリアンテ)とのカップリングで出たものです。ALP 1208 。
①には女性のテーマが3種類出てきますが、第2のテーマ(練習記号K、モルト・アパッショナート)はあまり情熱的ではなく、むしろ悲しみを湛えた女性のような表現。もしかするとフルトヴェングラーはアパッショナートな女性は好みではなかったのかも・・・。
第3の女性の場面、練習記号Mの5小節目にスコアにないティンパニの pp を加えています。
②の最後、裁判の場面にはホルン4本、トランペット3本がアド・リビトゥム(使っても使わなくてもよい)で指示されていますが、どうもフルトヴェングラーは加えていないように聴こえます。自信はありませんが・・・。
③は他の2曲より古い録音で、オリジナルはSP3枚6面で出ていたもの(DB 21169/71)。大編成だけに最強音部では飽和気味の録音。音質そのものは良好で、鑑賞には堪えるものでしょう。
全体をソナタ形式と考えれば、再現部の頭に強烈なティンパニの一撃を加筆しています。提示部と整合を取ったのでしょうか。
参照楽譜
①ペータース Nr.4192b
②ペータース Nr.4192e
③ペータース Nr.4192d
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