今日の1枚(82)

東京もソメイヨシノが開花したそうです。それよりも、クヌギの若葉が出揃ってきて美しい萌黄色を楽しませてくれています。春は駆け足。
今日は忙しいので、聴いたCDも簡単に。

東芝EMIの TOCE-3795 。ウィルヘルム・フルトヴェングラー指揮の1枚で、ブラームスのヴァイオリン協奏曲。ヴァイオリン・ソロはユーディ・メニューイン、オーケストラは珍しくルツェルン音楽祭管弦楽団というもの。
この盤では1949年10月7日、ルツェルンで録音とクレジットされています。
しかしこれは明らかに誤りでしょう。いずれ取り上げますが、テスタメントのCD解説では8月の録音とされていますし、オーケストラの性格上、10月はあり得ませんから。
この当時、フルトヴェングラーはベルリンでもウィーンでも演奏活動は許可されておらず、ルツェルンでの録音を提案したのはワルター・レッゲ。このブックレットには例によってプロデューサー名が記されていませんが、レッゲであることは間違いありません。

録音はモノラルでありながら、ホールのアクースティックが見事に取り込まれていて見事なもの。年代から来る古さは残るものの、ベルリンやウィーンでの録音より優れていると思います。
録音会場は何処でしょうか。極めて音響の良いホールなのでしょう。
演奏もこの曲の模範たるもの。メニューイン念願のブラームス録音であり、フルトヴェングラーの気力も充実。未だに輝きを失っていません。
カデンツァは難しいクライスラーを弾いています。

参照楽譜
オイレンブルク No.716

 

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